みなさんこんばんは。

今日は一年に一回、夏休みにだけこちらに帰ってくる従兄弟とお別れをしてきました(実際帰るのは明日)

今年も結構色々なところに行けて楽しかったですよ。

まあ、やっぱり少し騒がしいところはありましたけどね(笑)

そして話は変わりますが、実は......

今日の4コマ描けてません.....

明日のビックイベントのために名刺(下)を作っていた関係で、4コマは描けませんでした。
本当に申し訳ないです。


名刺

あの、明日からは平常運転しますから!大丈夫ですから‼︎

ではでは。
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みなさんこんばんは!

今日は1日早い休みを頂きます。

明後日にはビックイベントがあるので、その準備もしないとですね。

ではでは。

みなさんこんばんは!

なんだか最近は8月だというのにやたらと寒いですね。

僕的にはその方が過ごしやすくていいのですが、皆さんはどうなんでしょうか?

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 4-6



またナノか

やっぱり事の発端は彼女でした。

では、また明日。

どうも。

今日は家族で横浜に行ってきました。

久々というのもありますが、買い物も結構して色々回って楽しい1日を過ごせました(^_^;)

機会があればまた行きたいですねー

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 4-5



やつの名はクラウド。

なんだかこの後も出てきそうですね。

では、また明日。

みなさんこんばんは。

今日はバイトしてました。
最近バイト行ってて思ったんですが、やたらと残業が多い気がします。

するのはいいのですが、疲れる疲れる......
足に負担がかかるのはいいんですが、うぬぬ......

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 4-4



新キャラワッフル登場!

実はこのワッフル、リア友のワッフルさんご本人でございます(^_^;)

では、また明日。

みなさんこんばんは!

今日はなんとか自動車の効果測定を合格してきました。

あとちょっとという所まで来ましたーよ!
くっーー!!!

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 4-3



謎が謎を呼んで謎んですよ、きっと。

果たしてこいつの能力とはなんだったのか......

では、また明日。

みなさんこんばんは!

今日は一日中おばあちゃんの家の模様替えの手伝いや草むしりをしてました。

日があまり出てなかったとはいえ、流石にこの気温の中でやるのは辛かったですね。

でもまあ、たまにはこういう仕事もしないとですね(^_^;)

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 4-2



現時点最強技と言っても過言ではない技が、いともあっさりと破られる!

どうするクロム!どうする主人公!(なんかなげやり)

では、また明日。

みなさんおはよーございます。

昨日は自動車教習があったものの、それ以外は特になく久々に少しのんびりできました。

今日からはまた忙しくなるのでなんとも言えませんけどね(^_^;)

ではでは。

みなさんこんばんは!

いよいよ本日から幻想世界編が始まります。

今回は幻想や空想の世界がテーマですから、ファンタジー要素が多く含まれるかもしれませんね。

ではでは、第1話です!



クロムの4コマ 4-1



念のために言っておきます。

第1話です。

大丈夫です。お話を飛ばして読んだりとかしてませんからご安心ください!

では、また明日。

みなさんこんばんは。

ブログ改装ですが、なんとか今日中に終わりました。

色々と追加したので、見ていただけると嬉しいです(^_^;)

幻想世界編なのですが、もう時間がないので明日からの掲載にさせて頂きます。

本当に申し訳ないです。

では、また明日。

みなさんこんばんは!

今日はなんとかして足りなかったイラストを全部描きました。

これなら予定通り金曜日にはブログ改装できそうです(たぶん)

まあできないということがないように頑張りますよ(^_^;)

では、また明日。

みなさんおはようございます。

幻想世界編まであと3日?になりましたが、ここで1つ報告があります。

実はブログ改装のためのイラストがまだ全部できてません。

いやいや、2週間も何してたの?っというツッコミは分かります。

でもこの2週間、意外にも描く時間がなかった上に仕方ないとはいえ不測の事態まで起きてしまったものですから、かなり忙しかったんです。

なるべく3日後までにはなんとか終わらせたいですが、果たして終わるかどうか......

では、また明日。

クロムの4コマW•最終話(12)
『また会う日まで』


「ふーん、大変だったんだねー」

「いや、大変というかなんというか......どっちかというと疲れたかな......」

そう言いつつオレは渇いた喉を潤すため、飲みかけのジュースを一口飲む。

「いやー、でもごめんねー!気づいてあげられなくて」

「別にいいよ。こっちでは一日の出来事だったみたいだし、普通に考えれば気づかなくて当然だ」

「そーだよねー」

「ところで、ミナノのやつは準備できたのか、ナノ?」

「んー?そういえばさっき廊下であたふたしてたのを見たよー」

なんだ、まだ出発してないのか。

まあ、あらかた準備に手間取ってるんだろう。それに.....

「クッ、クロムさん!!」

やっぱりきた。

オレが「準備できたのか?」と聞くと、ミナノは少し微笑みながら「はいっ!」とだけ答えた。

「あの、私クロムさんにすごくお世話になっちゃいましたね......」

「そうか?オレはそんなに面倒見た記憶はないんだけど」

「い、いえいえ!クロムさんがいなかったら今ごろどうなっていたか.....!!」

「.....まああれだ。短い間だったけど楽しかったよ」

「は、はい!私もです!」

そんな会話をしていると、扉の奥からミナノを呼ぶ声が響いてきた。

「ほらミナノ、呼ばれてるぞ?」

「あ、はい!あ、あのー......」

「ん?」

「ありがとうございました!!」

そう言うとミナノは踵を返し、自分を呼ぶ声の方に駆けて行った。

「へへ、礼を言うのはこっちだってそうなんだけどな......」

オレは飲みかけのジュースが揺れるグラスを見つめながら、そう呟いた......



「お、お待たせしました!」

「遅いぞ」

「ご、ごめんなさい!準備に戸惑っていたもので......」

「それで、どこに行きたいんだ?希望があるなら聞くが」

声の主に質問されたミナノは、うーんと悩むと、ぽんっと手を叩いて声の主に言った。

「あの、静かなところがいいです!私の能力が多発されないような場所があれば......」

「そうだな......ならスタビレッジはどうだ?」

「スタビレッジ....ですか?」

「ああ、こことは星が違うがこの星の隣あたりだったからおそらく空間の繋ぎもギリギリ届くだろう」

「あの、そのスタビレッジってどういうところなんですか?」

「そうだな.....」

ミナノに質問された声の主は、頭を少し抑えると、「えーっと」と言って思い返していた。

少し経つと声の主は思い返すのをやめ、ミナノに語りかける。

「悪い、細かいことは忘れた」

「え、ええー.....」

「だがたしか、ゆったりした空気で住人も少なかったはずだ」

「そ、そうなんですか⁈」

「ああ、確かな。どうする?そこにするか?」

再び質問されたミナノは一瞬だけ悩む動作をしたが、すぐに何かを覚悟した顔つきで答えた。

「はい!私、そこにします!私をそこに連れて行ってください!」

「そうか、分かった。じゃあもう行くぞ?準備はいいな?」

「はい!!よろしくお願いします、シキさん!!」

その声を最後に、そこまでそこで会話をしていた2人の球体は一瞬のうちに消えた.....




..............

うん.......?

「はっ⁈いつの間に寝て......って痛!」

咄嗟に起き上がろうとした瞬間、何かに頭をぶつけて小さくうずくまる。

痛みに頭を抱えてながらも、周りを見渡してみると目の前で同じようにうずくまっているミナノを見つけた。

「あ、ミナノ!わっ、悪いな......」

「も、もう......びっくりしましたよ!でも......」

「......でも?」

「目を覚まして良かったです......」

そう言ったミナノの顔はさっきの痛みのせいなのか、それともオレを心配してなのか、それとも両方なのかは分からないが涙でぐちゃぐちゃになっていた。

「お、おいどうしたんだよ......そういえばユーシャは⁈マッハは⁈あの後どうなったんだ⁈」

「え......うゔ......あの......」

泣きながらも必死に何かを伝えようとするミナノだったが、その声はか細くどんなに頑張っても聞き取れそうにない。

「もう何がなんだか.....」

「それは俺が説明しよう」

「‼︎」

急に声をかけられすぐさま振り向くと、そこには堂々とした態度でマッハが立っていた。

「マッハ!お前無事だったのか!」

「そうだな.....そうだよな......」

「マッハ.....?」

どこか様子がおかしい。マッハのやつどうしたんだ.....?

そう考えているとおかしな様子のマッハが突然大声で笑い始めた。

「マッハ⁈」

「あは、あはは、あはははははっ!!!あーもうおかしい!」

「お、お前マッハじゃないな!誰だお前は!!」

「俺か?俺はなぁ.....」

マッハはバサっという音ともに大きめの布を出すと、それを大きく上に放りなげる。

その布がマッハを一瞬隠し、再び隠れていた姿を見せると、そこにいたのは......

「マッ、マッハじゃない.....?!」

「ふふ、この姿で会うのは初めてね、クロム」

にやにやしながら謎の人物はオレにそう呟く。

まさかこいつは.......

「お前まさか.......イリ•ビリーフか⁈」

オレがそう叫ぶと相手はくすくすと笑いながら口を開く。

「ご名答ー!そうよ、私がビリーフよ。あなたをここに閉じ込めた張本人......のね」

「一体どうなってやがんだ......」

「ふふ、せっかくだし説明してあげるわ。もう時間切れだしね」

「時間切れ.....?!どういう意味だ!!」

「今言ったとおり.....つまりはそういうことよ。あなたがそこで寝ている間に24時間経ってしまったのよ」

「え.....それってまさか!」

「そう、マッハに化けていた私が話したことは全て本当のことよ。つまりはもうあなたは逃げられない。ここで死ぬか私が死なない限りね」

「なっ.....」

まじかよ......

まさかあの話が本当で、マッハが偽物だったなんて.....!!

じゃあ本物のマッハは今頃のほほんとしてるわけか.....
くっ......

でも一日じゃ気づくわけもないよなと思いながら、ビリーフに向けて叫ぶ。

「だったら少し気は引けるがお前を倒すだけだ!」

「ふふ、やってごらんなさい?やれるものならね.....」

「覚悟しろ......」
「うっ⁈」

途端にドスッと体を落とす。さっきまでは平然と立っていたのに、今では力が全くと言っていいほど入らない。

「だ、大丈夫ですかクロムさん!」

「ミ、ミナノ.....」

「あら、あなたは立っていられるのね」

「え......?」

ミナノがその言葉に一瞬驚きながらも、ビリーフは話を続ける。

「この空間は普通のことでは入って来られないようになってるんだけどね......」

「入って来られない......?」

「そ。あなたの能力だとは思うけど......まあ、いつこちらを攻撃してくるか分からないから警戒していたのだけど、入ってきただけで後は何もしないところを見るといらぬ心配だったみたいね」

「ミ、ミナノお前.......」

「えっと私は......」

直後ビリーフが「そんな話はいいわ」と叫ぶ。

オレたちの顔を少し眺めたあと、ゆっくりと口を開く。

「とにかく、もうあなた達はチェックメイトなのよ。このまま死ぬだけを待つ運命.......ってところね」

「くっ.......」

オレはそれでも何か手はないかと必死に頭を働かせるが、一向にいい案は浮かんでこない。

それとは逆に、体の力は徐々に抜けていくのを実感していた。

そんなオレを嘲笑うかのようにビリーフはオレのもとへと歩み、近くにいたミナノを跳ね除けオレの体を持ち上げる。

「うっ、くっ.....は、離せ.....」

「ふふ、このまま殺さずに観察するのもありだったんだけど......能力の説明をしちゃったし、何よりもう飽きたからやっぱりここで殺すことにするわ」

そう言って静かに空いている左手を上へ挙げる。その手にはおぼろげながらナイフが握られているのが見えた。

「さようなら!!」

「くっそぉ!!!」

「ク......クロムさぁぁぁん!!」

その刹那、何が起こったのかオレには分からなかった。

いや、オレだけじゃない。
泣き叫ぶミナノも、ナイフを振り下ろそうとしたビリーフも、その目を見開いたままその一瞬黙り込む。

オレに向けられ振り下ろされたナイフはカッっという音とともに宙へ放り出され、そのまま空中で半円を描くと吸い込まれるかのように地面に突き刺さった。

オレは我慢できずに真っ先に叫ぶ。

「ユッ......ユーシャ!!!」

「ユーシャさん!!」

「なっ、ユーシャだと⁈」

ユーシャはその場にいた全員の言葉を聞くと、背を向けていたオレの方に振り返り、そっと呟く。

「悪いな、遅くなって。大丈夫だったか?」

「ユーシャお前......でもなんでお前が.......!!」

「それは......」

「やっぱりそういうことだったのね......」

語りかけていたユーシャの言葉を遮り、1人呟くビリーフ。

その様子を見たユーシャは、「ふぅ.....」と一息つくと、話を続ける。

「クロム、ビリーフ、お前らの察しの通りオレはビリーフの能力によって作られたクロムの思い込みの幻覚だ」

「最初は確かに他のやつらと同様ビリーフの意のままに動く操り人形だったさ......」

「だがクロムが日に日に強くオレのことを思い込んでくれた結果、オレはこの能力内での一つのユーシャという存在になれた」

「だから今はクロムのために戦う。例えお前を殺してオレの存在が消えてしまうとしてもな.....!!」

「ユーシャ......!!」

まさかとは思っていたけど、そんなことがありえたんだな......

こんなにも嬉しいことはねぇ.......

でも......

「ユーシャ、それじゃもう」
「何も言うな」

そう言ってユーシャは小さく首を横に振る。

そう......か
それが運命なら受け入れるしかないのか.......

「クロムさん.....?顔が......」

「み、見んじゃねえよミナノ。見せ物じゃないんだ、この涙は.....」

「クロムさん......」

オレはミナノにこれ以上見られないようにと、必死に堪えようする。だけど流れ落ちる涙は一向に止む気配はなかった。

「クロム、もういいか?」

「......ああ!あ、当たり前だぜ!」

そう言うと、オレは今までと同じようにメモリを構え、押し込む。

〝ウォーター!〟

同じようにユーシャも見慣れたメモリ取り出し、そのメモリを強く押し込む。

〝ライトニング!〟

「ふん、確かにユーシャはもともとこちらの能力の一部。同化すれば戦えるけど、それで勝てるかしらね!」

「.......」

そんなビリーフの言葉を無視してオレ達は叫ぶ。

『変身!!』

直後ユーシャが自分のベルトのスロットにメモリを差し込むと、ユーシャはぐらりと倒れ、オレのベルトのスロットの一つにユーシャが差し込んだはずのメモリが差し込まれていた。

オレも同じようにメモリをスロットに差し込み...... 閉じていたスロットを思い切り開いた。

ユーシャ......オレは今回の出来事を決して忘れない。

お前は本当のユーシャじゃなかったのかもしれない......
けどオレには本物といた時と同じような感覚で共にまた笑い、悩み、戦うことができた。

ただ......ただ今はこう思う。

また、再び会える日を待ってるって......

直後、ゴオオオという砂を巻き上げる音と強風と共に、オレの意識は戻ってきて...そして......言った。

「さあ、お前の罪を数えな‼︎」



終わり。

クロムの4コマW•11
『大きな勘違い』


この世界は残酷だ。
見たくもない現実を見せようとしてくる。

せっかく会うのならもっときちんとした形で会いたかったのに......

そんな想いしかない。

それでもオレが......
オレ自身がこの世界にピリオドを打たなければならない。それが例え辛いことであっても......




「うおし、とりあえずは集まったな。なんとか時間的にも間に合いそうだ」

「おい、集まったって.....」

あの後急いで探偵事務所に戻ってくると、ミナノが心配だったと言わんばかりに出迎えてくれた。

そしてマッハが大事な話があるからと集まったのだが......

「全員じゃねえぞ!ユーシャがいないじゃないか!」

そう、この場にいるのはオレとマッハ、そしてミナノの3人だけ。ユーシャはもちろん、ダンディや助けてくれた魔王.....もいない。

「いや、これでいい。後のメンバーはむしろいない方がいいんだ」

「ええ⁈ユーシャさんもダンディさんもいないのにですか.....?」

「ああ。それでだな......」

「ちょっ、ちょっと待てよ!!!」

オレは思わず大きな声を上げて立ち上がる。途端にその息が荒くなっていることに気がつきながらも、オレはキッとマッハを睨む。

「待てよクロム、落ち着け」

「これが落ち着いてられるか!こっちはもう頭パンクしそうなんだよ!!」

「分かってるよ。あれがお前の言っていたユーシャっていう仲間であることも、この世界がゲームの世界だったってことも」

「ならなんで......」

「とりあえずは俺の話を聞いてくれ。とにかく今は時間がないんだ。文句ならその後で聞くから......」

「......ッ!」

オレはまだ高ぶっている気持ちをなんとか抑えながら、渋々と椅子に腰掛け直す。

「悪いな。さてと、それじゃ簡潔に話させてもらうよ。ちなみにこの話はミナノにも関係するからよく聞いとけよ」

「は、はい!」

そう言ってマッハは一旦息を整えると、話を続けるべく口を開いた。

「まず最初にだが.....クロム、お前は大きな勘違いをしているんだ」

「勘違い.....?」

「ああ。そもそもここはお前の知っている世界じゃない。お前の勘違いによって創られた世界なんだ」

「......はい?」

え、ちょっと待って?
もっと予想がつかないようなことを言うかと思っていたのに、勘違い.....?

いやいや、確かにそれも十分予想外だが、そんなことって......?

そんなオレにはお構いなしにマッハは話を続ける。

「この世界は、とある能力者によって創られたんだ。クロム、お前を消すためにな」

「オレを消すため......?!」

「ああ。その能力者は〝相手の思い込みを具現化する力〟という力を持っていて、名前は.....」
「イリ•ビリーフ。かつてお前がナットさんと共に倒したという狂った魔女のお姉さんだ」

「おおお、お姉さん⁈」

嘘だろ⁈
あの魔女にお姉さんがいたのか.....!!

「いや、でもなんでオレを消そうとしてくるんだよ。確かにオレは狂った魔女を倒したが、殺してはいないぞ?」

「いや、それがこの前マジュコから連絡があってな。なんでもそのお姉さんがこの前突然訪問してきたらしく、その時にうっかり狂った魔女....もといイリ•クレジーがその時のことを話しちゃったらしいんだよ.....」

「ええー......もしかして」

「そう、その話を聞いたビリーフが猛烈に怒って.....後はもう分かるよな?」

いやいや、分からねえよ。
というか分かりたくもないよ。

なんでオレ⁈なんでピンポイントでオレなの⁈ナットさんだって共犯者じゃん!!

てか狂った魔女に名前ってあったのかよ!
そもそも......ああ......もう......

「ツッコミきれるか!!」

「......だよな。まあ気持ちは分かる」

「分かるってお前......」

「まあそんなことはいいんだ。ここで一番重要なビリーフの能力の説明をするからよく聞いとけよ」

「あ、ああ」
「はいっ!」

「ビリーフの能力はその名の通り、相手の思い込みを利用するんだ。相手が一瞬でも思い込んだことは現実となり、その瞬間思い込みの世界が生成される」

「思い込みの世界?」

「そうだ。そしてその世界に閉じ込められた相手は外からの干渉を全く受け付けなくなる。ただし、その世界を創るには少し時間がかかる上、創ってる間に他の誰かが干渉すると能力は発動できない」

「ふむふむ」

っと、オレは軽く相づちを打つ。

「そのため、かけ始めは対象を人のいない所に移動させるんだ。ビリーフは魔女のクレジーの姉だったから、何かしら幻惑させる物を持っていたんだろう」
「クロム、お前は最初何処かに移動しなかったか?」

「そういえば......」
「そう言われると確かに最初ユーシャに会った時に、ハート王国まで行くって理由で移動したな.....」

「やっぱりな......それでお前は閉じ込められたんだ」

「うええ、マジかよ.....でもそれならなんでお前がここにいるんだ?」

「それはだな.....ナノがお前の家に行ったときお前がいないって騒いでだな、まあ最初は何処かに行ってるんだろうと思ってたんだが、そこでマジュコから電話がかかってきたからもしやと思ったんだ」

「う、うむ」

「能力の事を聞いたとき、お前自体はすぐ見つかったんだが、中に入れないからどうしようか悩んだが.....ナノに頼んで俺だけ入れてもらったんだ」

「ナノの能力は万能かっ⁉︎」

「そうだな。それで時間がないと言ったのはその能力は丸一日経つと能力者か対象の相手が死ぬまで解けなくなるからだ」

「......え?」

「まあ安心してくれ。今ならまだ22時間、ギリギリ間に合う。お前がこの世界は偽りの物だと深く思い込めばこの世界は崩れさり、能力も解ける」

「どういうことだよ.....」

つまりは最初からユーシャ達との再会はなかったってことか?

あいつらのイメージがずれていたのは見せられた幻惑をオレがそれが正当なんだと受け入れてしまったからなのか.....?!

「つまりは能力が使えなかったのも、変身して戦うというのも、全部オレが思い込んだから....?!」

「ああ。ビリーフはそのきっかけを幻惑で作ったにすぎない。別にお前の記憶を知らなくても記憶を引き出すような幻惑だったんだろう」

「そんな......」

じゃあオレの今までの一ヶ月あまりの時間は無駄だったのかよ.....

くっ......

「あのー.....すいません.....」

オレがハッと気づくと、ミナノが何か言いたそうにこちらをジーっと見つめていた。

「なんだ、ミナノ?」

「あの、その話が本当なら私は......?」

「そういえばそうだな。なあ、お前の能力って......」

そう言いかけたとき、不意にバタンっという大きな音が鳴り響いた。

ゆっくりと音がした方を振り向いて見ると、そこにはユーシャの姿があった。

「はあはあ、酷いじゃないか。オレを置いて先に行くなんて.....」

「ああ、ごめ.....」

「まてクロム!さっきの話を忘れたのか⁈こいつはお前の思い込みでできた偽物なんだ!」

「偽物?それはお前だろ!オレは色々と調べてたから知ってるんだ!お前が今までクロムとオレを閉じ込めてたことは!!」

「そんなのおかしいだろ!クロムの話によればお前はゲームの世界の住人なんだろ⁈だったらここにいるはずがない!それにわざわざ能力の事をクロムに話すか⁈」

「それは時間稼ぎだろ?さっき倒したやつもそうだ!そうやって残り少ない時間を潰すつもりだったんだろ⁈」

「何適当な事を!!」

「そっちこそ!!」

おいおい、大変な事になってきたぞ......

こんな事態だってのに、事もあろうかマッハとユーシャが口喧嘩し始めやがった。

なんとかしないと.....

「よし、ならクロムに聞こう!」

「い⁈」

「クロムは俺を信じるよな?」

「いや、今まで共に戦ってきたオレを信じるよな?」

「あー、えーっと.....」

「どっちだ⁈」
「どっちだ⁈」

突然すぎる選択を強いられ、思わず戸惑う。

〝最高の仲間〟を信じるのか?
それとも〝大切な親友〟を信じるのか?

そんなの.....

「そんなの決められるわけないだろ......オレにとっては2人とも大切な存在だ......」

「クロムさん......」

「だけど.....決めることはできなくてもこの世界を終わらせることはできる!!」

『!!!』

オレはそれだけ言うと意識を集中し始める。

この世界は偽りの世界......
今までの事も、全て偽り......

思い込むんだ。

強く。もっと強く。

思い込めば思い込むほどオレの意識はより深いところに落ちていく。

そんな中、誰かがオレを呼ぶ声がした。


つづく。


〜次回のクロムの4コマW!〜

また、再び会える日をオレは待ってる。


-これで、終わりだ。-

クロムの4コマW•10
『新たなる力』


「お前は......マッハ!!」

「やれやれ、本当に世話かけさせやがって......」

そんなやりとりをしていると、壁にのめり込んでいたはずの奴がいつの間にか起き上がっていた。

奴はこちらを数秒見つめたあと、両腕を後ろに伸ばしたかと思うと、そのままの姿勢で突っ込んできた。

「ちっ、わけ分からねえ攻撃してきやがって.....」

マッハは左手でバックルに挿さっていた〝S〟のメモリを抜き取ると、いつもとは違う形の刀に空いていたスロットにはめ込んだ。

〝スピーダー!マキシマムドライブ!!〟

「神速斬り......」

そう呟くのが聞こえた瞬間、

スバァ!
っという音と共にやつは真っ二つになり、無惨にも床に叩きつけられていた。

「おお!やりやがった!!」

「ま、油断さえしてなきゃこんなもんだろ......」

そう言うとマッハはメモリを抜きとりベルトを閉じると、元の姿に戻った。

「やっぱり今までのは変身......」
「でもなんでお前まで⁈ってなんでここに⁈」

「それは......」

と言いかけたとき、やつがどこにもいないことに気がついた。

「あれ⁈さっきのやつは....?」

「っと、そんなことを言ってる場合じゃなかったな.....」

「いや、だからさっきのやつ....」

「分かってるよ。さっきのやつはおそらく逃げたんだろう......急いで追いかけるぞ!」

「あ、ああ。でもちょっと待っ」

って、もういない.......

相変わらずそういうところは早いな......

とりあえずはユーシャを起こして.....

「うっ、痛てて.....」

「うーん.....」

あ、すでに起きてたか。
ミナノも大丈夫そうで....

って、そうじゃなくて!!

「おい、無事かクロム⁈それにさっきのやつは.....?」

「おいおい、それはこっちの台詞だぜ」

「そうか。なら良かった....」

「そうそう、さっきのやつを追いかけないと!!」

「追いかける....?一体何があったんだ?」

「それは行きながら説明する!ミナノは危ないからここにいてくれ」

「わ、分かりました!」

「よし、行くぞ!」

「おう!」

そう意気込むと、まだ痛む体に鞭を打ち、外へ飛び出していった......



「......というわけなんだ」

「なるほどな。大体事情は分かった」

「お、そんなこんなしてる間に追いついたぜ!」

前を見ると、そこには少し荒い息をしたマッハとやつがいた。

追いつくとすぐにオレはマッハに声をかける。

「おい、大丈夫かマッハ?」

「大丈夫も何も、今見つけたところだ。それにしても.....」

「う、ああ......」

ふっと周りを見渡すと、ほとんどの家や物がなくなっており、殺風景な景色へと変貌していた。

「あの野郎......こんなにたくさんの物を消しやがって.......!!」

「別にそれは問題じゃないが.....とにかくあいつを残しとくのは面倒だ。片付けるぞ!!」

「え、問題じゃないってお前......?」

「とにかく、この.....マッハって人がそう言ってるんだし、先にこいつを倒そう!もしかしたらこいつを倒せば元に戻るのかもしれないし......」

「.....分かった。いくぞ、ユーシャ!マッハ!」

「おう!」
「ああ!」

〝ライトニング!〟
〝ウォーター!〟

「よし、俺も.....!!」

そう言うとマッハは赤く輝くメモリを取り出し、素早く腰に巻きつけていたベルトに差し込んだ。

〝スピーダー!〟

『変身!!!』

「おっし、行くぞ!!」

直後勢いよく飛び出したオレ達は、やつに向かって一直線に走り抜けていく。

それを見たやつが右手を振り上げたかと思うと、こちらに向かって勢いよく降り下げた。

「なっ、なん......」

っと言いかけて気がついた時には、ものすごい勢いで地面に叩きつけられていた。

「(大丈夫かクロム⁈)」
「あ、なっ、なんとか......」

そうは言ったものの、体はすでにガタガタで立ち上がるのがやっとだ。

それにしても今の攻撃、一瞬何をしたのか分からなかったが恐らくは....

「衝撃波......か」

いやいや、冗談じゃない。
もしもう一回あんなの喰らってみろ?
その時は本当にお陀仏だ。

「(クロムのやつはやばそうだな....さっきのダメージも十分残ってるし、もう攻撃は受けられないぞ.....)」

「ああ.....そういえばマッハは⁈」

オレがそう思って前を向くと、マッハは風を切るような音を出しながらやつを滅多打ちに斬り裂いていた。

「さっ、流石マッハだ。これならオレの出番はない......」

直後ズザァァっという音と共にマッハがこちらにぶっ飛んできたのが見えた。

オレがひょいと避けると、マッハは「痛つっ......」と声を漏らしながら地面に半分のめり込んでいた。

「おいおい、オレの出番はないと思ったのに、何すっ飛んできてんの⁈」

「あはは、悪りいな。まあ、そんなこともある」

「そんなこともあるってお前......」

そんなやりとりをしていると、突然足元がぐらつきオレはバランスを崩した。

この感覚、この戦法はオレをダウンさせたあの時のものだと気づいたときには遅く、オレとマッハは真上に打ち上げられてしまった。

「ぐああ!!」

コントロールの効かなくなった体は空中を回り続け、攻撃の絶好の的となってしまっていた。

回りながらも必死の思いで真下を見つめると、やつがニコニコしながらさっきの衝撃波を打つため構えていた。

お、終わった.....

そう思ったとき、突然何かにぶつかった感覚がした。

まさかと思い後ろを振り向くと、マッハが少し笑いながらこちらを見ていた。

「マッハ、お前......!!」

「せっかく助けに来たのに死なれては困るからな!」

「‼︎」

その言葉を聞いたときにはオレの体は地面に叩きつけられていた。

マッハのやつ.....
カッコつけやがって......

そう思った2秒後、マッハはボロボロになった姿で真っ直ぐに落ちてきた。

「おい、大丈夫か......」

って、マッハのやつ気絶してる⁈

やっ、やばい。
これ......状況最悪じゃないか.....

ってかこいつ、一体何しに来たんだよ......

そんなことを考えていると、不意に背後から「おい」と声をかけられた。

驚いたオレが慌てて後ろを振り向くと、そこにいたのは......

「ま、魔王.....」

「お前大丈夫か?ずいぶんとズタボロのようだが.....」

「へへ、ちょっとつまづいただけだぜ.....」

「そうには見えないが......」

「(おいクロム、一旦オレと代われ!)」
「え?ああ、構わないが.....」

そう言ってオレは意識を集中させると、中にいたユーシャの意識と交代した。

オレとバトンタッチしたユーシャは会話を続ける。

「魔王オレだ、ユーシャだ!」

「ユーシャだと......?」

そう呟く魔王は驚きを隠せない。

まあオレの体で「自分はユーシャだ」と言われればそうなるよな。

「お願いがあるんだ。今から....」

「“オレと共に戦ってくれ”と言うんだろ?だがそれはお断りだ」

「そんな.....」

「だが力を貸すことはできる。ただ....」

「ただ......?」

「この力はあまりにも強大だ。お前に扱えるかどうか......」

「それでもいい!オレはあいつを倒さなきゃならないんだ!どうしても.....!!」

「分かった.....」

そう言うと魔王はどこからか透明に輝くものを取り出し、ユーシャに渡した。

それを見たユーシャは驚愕した表情で口を開く。

「お前、これ.....」

「ああ......」
「俺の魂、お前達に預ける!!」

「......ありがとよ、魔王」

直後オレの意識は再び深いところから呼び出される。

「(分かってるな、クロム.....)」

「ああ、もちろんだ!」

そう言うとベルトが突如輝きだし、今までメモリを差し込んでいた2つのスロットの間に、新たに3つ目のスロットが現れた。

オレがそれを確認すると、さっき魔王から預かったメモリをそのスロットに思い切り差し込む。

『うおおおおお!!!!』

「⁈」

これは....
力がみなぎってくる.....

これなら....!!


〝ライトニングウォーターヴィクトリー!!〟


「これなら勝てる!!!」

そう叫ぶと同時にオレは無意識に走りだしていた。

その様子を見てすでに混乱していたのか、やつはどうしたらいいか分からないという構えで立っていた。

「一撃で決める!!」

オレはベルトから3本のメモリを抜き取ると、それらを全て新しく3つに増えたスロットの、腰の別のスロットに差し込んだ。

〝ライトニング!ウォーター!ヴィクトリー!ハイパーマキシマムドライブ!!〟

「うおおおお!!」

その動作を見たやつは咄嗟にかわそうと後ろへ下がる。

が.......

「それで避けたつもりかぁぁぁ!!!!」
「(いっけえぇぇぇ!!!)」

「.......あ⁈」

「クエイクドライブッ!!!」

ドゴォォ!!
という轟音という爆音が鳴り響き、あたり一面が風圧で一気に吹き飛ぶ。

自分でも予想していなかった以上の威力に思わずしゃがみこんでいた。

しばらくして風が収まったのを確認してあたりを見渡すと、辺り一面が殺風景になっていた。

「ふええ....なんて威力だ。だけど....」

あたりにはやつの姿はなく、襲ってくる様子もなかった。

「どうやら倒したみたいだな.....」

そう言いながら変身を解くと、いきなり右手を掴まれた。

「うわっ⁈マッ、マッハ⁈」

「よく倒してくれた!これで次の策まで時間ができた。まあ、あんまり時間はないが....」

「おい、一体どういうことだよ?時間がないって....」

「それはミナノと合流してから話す!だから今は走れ!!」

本当になんなんだ.....
でもマッハが何か知ってるのには違いない。でも何を......

そう考えていると、マッハは静かに口を開き、言った......

「お前は大きな勘違いをしているんだ、クロム」


つづく。


〜次回のクロムの4コマW!〜

クロム「どういうことだよ......」

信じるのは〝最高の仲間〟か?
それとも〝大切な親友〟か?


-これで、決まりだ。-



さて、またまた突然ですがここからは幻想世界編の予告です。

今回は本編に登場する新キャラを一体紹介しましょう。

その新キャラはこちら ↓


クラウド


元気そうにしている子供のようにも見える子ですが、果たして本編ではどう活躍するのか.....?

では、また明日。

クロムの4コマW•9
『Vのメモリ』


ガッ!!

「くっ......この野郎、かなり強いぞ......」
「(こうなったらライトニングウォーターはやめて、ライトニングソルジャーでいこう)」
「了解!ダンディ!」

「おう、ほらよ!」

オレはダンディから勢いよく飛んできたSメモリを受け取ると、すぐさまWのメモリと入れ替える。

〝ライトニング!〟
〝ソルジャー!〟

変身チェンジ完了の音が鳴り響くのを確認すると、両手にロケットランチャーを抱え、そのまま相手目掛けてぶっ放した。

小さな半円を描きながら飛んでいったロケットは、相手に着弾したかと思うと、そのまま大きな爆発音と共に大爆発を起こした。

「よし!流石にやっただろ......」

「お、おいクロム、ユーシャ、あれ.......」

「なんだよダンディ......」

そう言いながら爆発が起こった方を見てみると、煙の中に丸くて黒いシルエットが一つ立っているのが見えた。

そんな馬鹿なともう一度よく見てみるが、やはり煙の中には黒いシルエットが映っている。

黒いシルエットは徐々に歩きだしたかと思うと、もうもうと立ち込める煙の中から姿を現した。

「嘘......だろ?」
「(仕方ない、こうなれば他の手を試すぞ!)」
「........分かった」

直後オレは前方に向かって走り始め、息を少し荒くしながらも走りながらメモリを入れ替える。

〝フレイム!〟
〝ウォーター!〟

「喰らいな!!」

バキッ!
という音と共にオレが炎を纏った拳で殴ると、殴られた相手はそのまままっすぐに吹っ飛ばされた。

「まだだ!」

〝フレイム!〟
〝ソルジャー!〟

「おらよっと!」

っとメモリチェンジを終えるとすぐにSのメモリを腰のスロットにはめ直した。

〝ソルジャー!マキシマムドライブ!!〟

「紅蓮の波動乱撃!!」

幾重にも鳴り響く轟音を聴き流しながら、これでもかと技を放ち続ける。

やがて前方が火の海になっているのを確認すると、オレは撃つのを一旦やめ、灼熱の業火の中で焼かれているであろうやつの方をジッと見つめる。

「さっ、流石にこの中で無事なわけないよな......」
「(ああ、これでやっと片付い.....)」

『⁈』

オレとユーシャは直後何が起こったのか一瞬分からなかった。
しかし、額に疼く痛みと体が宙に浮いてるのを実感して初めて自分達が地面から殴られたということが分かった。

ぐはっ!
っと小さな呻き声が上がると同時にオレ達は地面に叩きつけられていた。

「オ.....オレ達の攻撃が全て効かない.......!!」

それでも急いで立ち上がろうと目を開けると、やつが真上からとんでもない速度で落下してきているのが見えた。

咄嗟にかわそうとするも間に合わず、オレはもろにやつの拳を喰らう。

「クロム!!」
「クロムさん!!」

「(.....きろ、ク..........ム.....)」
「ユーシャ.....」

途切れ途切れで最後まで聞き取れなかったユーシャの言葉を最後に、オレの意識は薄れていった.......



「......ク......」
「.......」

「クロム......」
「........うっ.....」

「起きろクロム!!」
「うーあー.....ユーシャ?」

「おお、気がついたか!心配したんだぞ!」

「ここは......?それにあいつは......」

「ここは探偵事務所だよ!いやー、意識が戻って良かったよ.....!!」

「あ、ああ.....」

「おし、今何か飲むもの持ってくるな!」

そう言ってキッチンの方へ向かうユーシャの背中を見ながら、ゆっくりと今の状況を整理する。

そうか、オレはあいつに負けたのか......

あんまり覚えてはいないが、おそらく最初の一発目からほとんど意識が途切れていたのだろう。

それにしたってなんなんだあいつは......


思い出すこと3日前、ダンディの方から王様が呼んでいるとの報告を受けたオレとユーシャは、何かと思いながらシュライ......いや、王様の元へと向かった。

呼ばれてきた用件を聞くと、なんでもここ最近この辺で色々なものが消失しているとのことだった。

王様は兵士にもその原因を調べさせてはいるが、是非とも探偵のオレ達の力も借りたいということらしかった。

ユーシャはその依頼を快く引き受け、オレはユーシャの意思に賛同し一緒に事件の原因を探すこととなった。

そして今日の朝、ダメもとでユーシャとダンディとガーターとミナノの4人と一緒に捜索していると、あたりをキョロキョロしている怪しいやつを見かけた。

まあ、最初はただ怪しいというだけで事件に関係ないだろうと気にもしていなかったが、あまりにも挙動不審なのでガーターが注意しに行くと、オレ達はその間に休憩を取ろうということになった。

オレ達は町のベンチに腰掛け、休みながらガーターと怪しいやつのやりとりを見ていたが、一瞬の間に起こった出来事に全員が青ざめた。

ついさっきまで怪しいやつとやりとりをしていたガーターが一瞬にして消えたのだ。

これは明らかに異常だと気づくのと、こいつが原因......いや、下手すれば犯人ということは同時に把握できた。

そうしてオレ達は戦闘になったのだが......見事に敗北してしまったというところか.......

そんなことを長々と考えていると、ユーシャが「はい、これ」っとコップに水を注いできてくれた。

オレはそのコップを「ありがとう」と言って受け取ると、一気に飲み干す。

「ふはー、生き返るぜー!!」

「それは良かった」

「ところで、この傷の手当てはユーシャがしてくれたのか?」

「いや、オレじゃない。たまたまこの町に来ていたという僧侶に頼んだんだ」

「僧侶?」

「ああ。紫色の体に青い教会の帽子を被った子だよ。名前は確か......」

「.......ミレア?」

「そう、ミレアだ!.......なんで分かったんだ?」

「いや、ちょっとね......」

そうか、すっかり忘れてたがミレアもこの世界にいるのか。
聞いたところによるとミレアは何も変わってなさそうだな......

そう思っていると、ユーシャが思い出したかのように口を開く。

「そうそう、そのミレアが言うには、全治に一週間はかかるそうだ」

「......え?一週間......⁈」

ごめん、前言撤回。
やっぱりミレアも多少は変わってるみたいだ。オレの知ってるミレアは回復呪文を使えたはずだ。それが全治に一週間って......

「まあ、一週間くらいで済んで良かったが......お前がそんな状態ではな......」

そう言うとユーシャはガックリと肩を落とした。

そうか、Wは2人いないとなれないんだったな......

その事に気がついてオレも下を見つめたまま動けなかった。

そんな時、

「せめて〝V〟のメモリがあればな......」

っとユーシャが小さな声で呟いた。

それを聞き逃さなかったオレはすかさずユーシャに話しかける。

「〝V〟のメモリ......?」

「⁈」
「きっ、聞こえてたか......」

「まあこの距離だからな。それでなんだよ、〝V〟のメモリって......」

「本当は見つけるまでお前には内緒にしておく予定だったんだが、聞かれたんなら仕方ない.....」

「?」

オレがそのメモリの正体が全く分からないという顔をしていると、ユーシャは続けて口を開く。

「いやな、実はお前が帰れる方法をを内緒で探してたんだ。そしたら〝V〟のメモリっていうのに行き着いてだな......」

「うんうん」

「その〝V〟のメモリは空間に穴を開けられるらしいんだよ」

「......はい?空間に穴を開けられる?」

「ああ、だからそのメモリを使えばお前の世界への空間に繋げられるかなと思ってよ......」

「ユーシャ......」

ここ最近眠そうな顔をしていると思ったら、オレの為にそんなことをしていてくれてたのか.....

思わず零れそうになった涙をギュッと抑えると、オレはユーシャの方を向いて言った。

「ユーシャ、気持ちはありがたいが、今は必要ないのでは......?」

「いや、そうでもないんだ。その〝V〟のメモリには莫大なエネルギーがあるらしく、使ったものはとんでもない力を得るとか......」

「とんでもない力......?」

「そ。だからそれがあればあいつにも勝てると思ったんだが、肝心の持ち主が見つからないんだよ.....」

「うーん、一人心あたりがあるような、ないよう......」

っと言いかけたとき、背後から大きな音が響いてきた。
何かと思ってオレとユーシャが後ろを振り向いてみると、そこには息を切らしたミナノが立っていた。

「ど、どうしたんだミナノ!」

「はあはあ、それが大変なんです.....」

「だから何が大変なんだ?」

「はっ、ハート王国の城が中にいた人ごと消えてしまいました!!」

「ええ⁈」

「あいつ......ついに城までも消しやがったか......!!」

「今ダンディさんが一人で戦ってくれていますが、それもいつまでもつか......!!」

っと、そう伝えてくれたミナノの顔は今にも泣きそうになっていた。

それを必死に止めようとオレは口を開く。

「だ、ダンディなら大丈夫だ!それよりも早くダンディの応援に.....」

「ミナノ、後ろだ!!」

「⁈」

ユーシャの張り裂けそうなくらい大きな声を聞いたオレがミナノの後ろを見ると、そこにはこのオレをこんな状態にしたやつがいた。

オレが避けろという前にすでにミナノは宙を浮いており、ハッと気づいた時には隣にいたユーシャに勢いよく激突していた。

「......ッ‼︎」

「ユーシャ!ミナノ!!」
「はっ!!」

いつ近づいていたのか、オレがユーシャ達に気を引かれている間にやつは目の前で立っていた。

「なっ、いつの間に......!!」

「......も........」

「は......?!」

やつは何か言いたそうにもごもごと口を動かしたかと思うと、静かに口を開いて......言った。

「もう元の世界に帰るのは諦めた方がいいかもしれませんね......」

「........?!」
「お前は一体.......」

その言葉を聞いたオレは開いた口が塞がらなかった。

オレがあっけに取られていると、やつは突然飛び上がり、オレの脳裏に焼き付いていたあの光景と同じ光景をそこに作りだしていた。

これはかわせないと思った時、突然やつは真横に吹っ飛んでいき、壁に激突した。

「やれやれ、やっと見つけたぜ......世話かけさせやがって......」

声がした方を咄嗟に振り向くと、そこには赤いボディに青いハチマキをつけ、堂々と立っている男がいた。

一瞬誰だか分からなかったが、目を凝らしてよく見てみると、そいつが誰であるかはすぐに分かった。

そのあまりにも見慣れた姿を見ながらオレはそいつの名を叫んだ。

「お前は......マッハ!!」


続く。


〜次回のクロムの4コマW!〜

マッハ「おっと、そんなことを言っている場合じゃなかったな......」

???「俺の魂、お前達に預ける!!」

「〝ライトニングウォーターヴィクトリー!!〟」


-これで、決まりだ。-

クロムの4コマW•8
『怪しい薬にご用心⁈(後編)』


「くっそー!調子に乗りやがって‼︎」

オレは息を切らしながらも、ひたすらにクラウンの攻撃をかわし続けていた。

かわしながらもなんとか反撃を試みようとはしてみるも、相手の攻撃の手数が多すぎるせいで避けるのに精一杯になっていた。

「くっ、このままじゃまずいぜ......」

「ならもっとまずくしてあげましょうか?」

「⁈」

そう言ってクラウンは頭上に青白い光を精製したかと思うと、それを勢いよくこちらに飛ばしてきた。

咄嗟にかわすオレだったが、背後にミナノがいることをすっかり忘れていた。

「しまった!避けろミナノ!!」

「え⁈あ......う......」

っと反応こそしたものの、体は反応しきれなかったのかミナノに直撃してしまった。

「やべ!大丈夫かミナ......」

と言いかけたところで、ミナノが目の前から消えてしまった。いや、消えたんじゃない。これは......

「え、え......?」

「なっ......ミナノまで縮んじまった⁉︎」

「おいおい、嘘だろ⁈」

「嘘じゃないんですね〜これが」

後ろを振り向くとクラウンは、ニヤニヤしているだろうという態度でそう言った。

「ど、どういうことだ⁈」

オレがそう言うと、クラウンは待ってましたと言わんばかりに喋り始める。

「なあに、私は長年の研究すえ、ついに生物のサイズを小さくできる魔法を身につけることに成功したっていう話ですよ」

「なっ......そんな魔法が....?!」
「おいまさか、お前.....!!」

「ふふ、そのまさかですよ......」

なんてこった。

まさかそんな魔法を開発していたなんて......
そして恐らくはその魔法を飲み物の中に混入させ、みんなに配ったのだろう。

だが......

「なんでそんな回りくどいことをしたんだ!みんなを小さくするならそんなことしなくても......」

「ふふ、それはですね......」

「なっ、なんだよ.....」

「さりげなく探偵事務所の君たち2人を抹殺するためですよ」

「なっ、何⁈」

「オレ達を⁈」

予想外の回答が返ってきたオレ達は口を閉じてしまった。

そんなことはお構いなしにクラウンは続ける。

「そ、何せ君たち2人は邪魔でしたからねぇ」

「じゃ、邪魔......?」

「そうです。君たちはSメモリを使って悪人を倒したりして町の平和を守っているのでしょう?」

「そうだ。それが何か悪いのか!」

「すごく悪いですよ。だってあなた達がいたら私の素晴らしい研究成果であるこの魔法を思う存分使えないじゃないですか!」

「なるほどな。大体事情は分かった......」

つまりこいつはあの魔法を使って、この町で何かするつもりなんだ。

何をするかは分からないが、きっとみんなが迷惑することに違いない。こいつは止めなくては......

でもどうやって......!!

「おっと、少々お喋りがすぎましたね。クロム、君だけ小さくならなかったのは計算外でしたが、片方が小さくなっていれば同じこと!」
「始末させてもらいますよ」

「くぅ!!」

なっ、何か策はないのか......
あいつを倒す何か策は......!!

「ティア......」

そう呟くとオレは、無意識のうちにあの〝F〟と書かれたSメモリを取り出していた。

こんな時、魔法使いのお前ならどうしてたかな......

「さあ!あなたも小さくなって.....これでフィナーレです!!」

「......!!」

瞬間!

オレは前方に向かって真っ赤に輝くメモリを投げていた。

なぜ投げたのかは分からない。

だが、オレの中でうごめく何かがオレをそうさせた!!

真っ直ぐに宙に投げ出された赤いメモリは、見事な半円を描きながらもクラウンの魔法に衝突した。

すると、みるみるうちにメモリは小さくなっていき、ユーシャ達より一回り小さいくらいのサイズにまで縮んでしまった。

それを見ていたオレは、咄嗟に小さくなったメモリまで走り追いついたかと思うと、それをユーシャに向かって蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされたメモリは、パシッという音と共にユーシャの手で受け止められていた。

「え⁈おいクロム、これどうすん.....」

「そいつを使って変身するぞ!!」

「ええ⁈そんな無茶な!」

「無茶じゃない!元はオレ達の仲間だったんだ!だからできる!!」

「なんだかすごい理論だが.....こんな状況だ。オレはお前を信じるぜ、クロム!!」

「なっ、まさか.....?!」

その様子を一部始終見ていたクラウンは驚きのあまり動けずに、ただこちらを見つめていた。

それを横目で見ながらも、オレはいつものように叫ぶ。

「いくぜユーシャ!」

「おう、クロム!」

〝フレイム!〟
〝ウォーター!〟

『変身!!』

「さあ......お前の罪を数えな!」

「くっ、しまった!まさか別のメモリでもできるとは!!」

「バカ野郎!これはティアのSメモリだからできるんだぜ!!」

そう言いながらダンディの時のように自分の体が変化してないかなっと見てみると、元のピンク色のままで特に変化はないようだった。

なんだ、今回は変化なしか......
っと思いながらよく見てみると、マントの色がオレンジから真っ赤に変化していた。

「あっ、ユーシャのSメモリを変えるとマントの色が変わるのね......」

「(だーかーらー!そんなこと毎回毎回気にしてないで戦うぞ!)」

「ああ、毎回毎回悪いな」

「準備はいいですか?なら私か」

「オレから行くぜ!喰らって真っ黒になっちまいな!◯ラ多連弾!!」

直後オレの両手から放たれた炎の塊は真っ直ぐ飛んで行ったかと思うと、突然何かに引きつけられるかのようにこちらに戻ってきた。

「あぶねっ!(ええ⁈)」
っと言いながらも咄嗟にかわすが、背後からひどいくらい大きな悲鳴が聞こえてきた。

まさか......
と思いながらも後ろを振り向くと、そこには真っ黒になっていたダンディがいた。

「うええ....まさかこの技ってティアじゃなくてもダンディに当たるのか.......」

「ふふふ、まさか味方に攻撃するとはねぇ〜」
「これは何かの余興ですか〜?」

「うっ、うるせえ!すっ、すまないなダンディ.......」

「お、お前なぁ......」

その後バタッという音ともにダンディは動かなくなってしまった。

すまないダンディ。
もう撃たないから......

そんなことを考えていると、いつの間にかクラウンがすぐ目の前まで接近していた。

それに気がついたオレはクラウンの攻撃をギリギリかわす。

するとクラウンは身を翻し、青白く光る魔法をかわした直後のオレに放ってきた。

「やっ、やべ!」
「(お、おい!)」

「ふふ、これで今度こそ終わりですよ!」

「........へ!」

「⁈」

そう言うとオレは青白く光る魔法に向かって◯ラを撃ち相殺させると、頭上にいたクラウンを思い切り天空めがけて蹴り飛ばした。

「ぐおぁぁ!!」

『今だぁぁぁぁ!!!!』

そう叫んだオレはフレイムのメモリを腰の空いてるスロットに差し込んだ。

差し込むと同時にいつもと同じように構える。

〝フレイム!マキシマムドライブ!!〟

「フレイムランスL2!!」

直後オレが放った炎の槍は真っ直ぐにクラウンへと飛んでいき......

「ぐおぁぁ!!」

......着弾した。

「(おお!これで......)」
「まだだ!!」

オレが上を見上げると、そこには鎌を今にも振り降ろさんとするクラウンが急降下してきているのが見えた。

「やれやれ、それじゃあの時と同じだな!!」

そう叫ぶとオレはWのメモリを抜き取り、腰のスロットにはめ直した。

〝ウォーター!マキシマムドライブ!!〟

「(とどめだ!)」
「おう!バーニング......」

「⁈」
「む、無駄ですよ!!!」

「......オーシャンドライブ!!!」

その瞬間、バコォ!!っという轟音と共に小さな爆発を起こした。

オレはその爆発によるダメージを水を纏いながら軽減し、かっこよく着地......するはずだったが、爆風に巻き込まれた体は無惨にも地面に叩きつけられた。

「痛ぇ.....」

っと反射的に口から言葉が漏れながらも爆発が起こった方を見てみると、そこにはボロボロになったクラウンが倒れていた。

ガチャン
っという音と共に変身を解き、クラウンの元へと歩み寄ると、オレはクラウンをとっ捕まえて言った。

「この勝負、オレ達の勝ちだ。さ、みんなを元に戻してもらおうか」

「くっ.....」

オレに掴まれながらもなんとか逃げ出そうと辺りを見回していたクラウンだったが、すでにダンディが呼んでおいた兵士たちを見て諦めたのか「仕方ないですね.....」っとだけ言って逃げるのをやめた........


-翌日-

「いやー、やっぱり元のサイズのがいいよなー!」

「まあ小さいよりはいいだろうなー」

あの後クラウンは王様の命により速攻で元に戻る薬を作らされ、無事王国中の国民は元の大きさへと戻った。

ユーシャは「小さいうちにしかできないことでもやっとけば良かったな......」っと戻る前に言っていたが、それでもやっぱり元の大きさが一番だろう。

少し気になっていたクラウンの処分だが、王国のためになる薬を作るという約束でこの国に残ることとなった。

まあ、またもし何かやらかしてもいいように要監視状態らしいから問題ないだろう。

「おーい、クロム!飯できたぞー!」

「おう、今行く!」

そんな事を考えながらユーシャの元へと向かうオレにはまだこの時、この後起こる異変に気づくわけもなかった......


.......つづく‼︎


〜次回のクロムの4コマW!〜

ユーシャ「その〝V〟のメモリは空間に穴を開けられるらしい......」

クロム「オっ、オレ達の攻撃が全て効かない.....!!」

???「もう元の世界に帰るのは諦めた方がいいかもしれませんね.....」


-これで、決まりだ。-

クロムの4コマW•7
『怪しい薬にご用心⁈(前編)』


ティアを倒してから一ヶ月後。

オレはもやもやした気持ちを抱えながらも、ユーシャと共に次々と事件を解決していた。

ふっと視線を横に逸らすと、ボロボロに傷ついたテーブルの上に数多くのSメモリが散らばっていた。

その数はざっと数えただけでも10以上はある。よくとまあこんなに集まったものだなっと、つくづく思う。

「そういえば、どんなメモリがあったかな......」

そう呟くと、オレはテーブルの上のメモリに視線を移した。

色々な色があるなっと見ていたが、テーブルの端にある真っ赤なメモリが映り込んだ途端、思わず目を逸らしてしまった。

〝F〟と書かれたそのメモリだけは、どうしても見ることができなかった。

なぜこの世界は再び姿を現したのだろう。

なぜこの世界はこんな残酷な運命をオレに突き立てるのだろう。

ティア......

「たっだいまー!!」

「⁈」
「ゆっ、ユーシャ⁈」

「ん?どうした?」

「あ、いや......なんでもない......おかえり、ユーシャ」

「おう、ただいま!今から飯作るからちょっと待ってな!」

ユーシャは買い物袋を真新しい方のテーブルに置くと、料理の準備をすべく台所へ向かって行った。

「ユーシャってあんなに料理できたかなぁ......?」

そう言いながら買い物袋を漁っていると、メインの買い物袋とは別に、もう一つ小さな袋があることに気がついた。

何かと思って開けてみると、中には栄養ドリンクのようなものが1つ入っていた。

「おいユーシャ。これって......」

「ああ、それか?町で無料配布してたんだよ」

「無料配布?」

「うん。ただなら貰っておこうかと思ってさ」

「ふーん......」

そんなものを配るやつもいるんだなーっと思いながら、ただ瓶に入っている液体を見ていた。

「よし、できたぞ!」

「え?もう⁈」

「あったり前だろ!オレは料理が得意なんだ」

「そうか?まあいいや」

そう言いながらオレはユーシャと共にご飯を食べ、その日はそのまま寝てしまった。


翌朝。


気持ちよく寝ていたオレは、朝一番に鳴り響いたユーシャの叫び声で起き上がった。

「こんな時間になんだよ......」とぶつぶつ言いながら叫び声の方へ行くと、そこにユーシャはいなかった。

不思議に思ったオレがユーシャの名を呼ぶが、ユーシャは一向に返事をしない。

「あー、ユーシャのやつどこ行ったんだ?」

そう言いながら周りを見渡してみるが、ユーシャの姿は見えない。

まあいいかっと考えながら冷蔵庫を漁ろうとしたとき、背中に何か違和感を感じた。

なんだと思って手を伸ばしてみると、「危ねっ!」という聞き覚えのある声がした。

「なんだユーシャ。そこにいたのか.....」

......あれ?
いない......

確かにさっきまでここに......

「痛っ!!」

「んん⁈」

突然足元から叫び声がしたので下を覗いてみると、そこに理解しがたい姿でいたのは......

「ユーシャ⁈」

「やっ、やっと見つけてくれたか......!!」

「なんだってそんな小さくなってるんだよ⁉︎」

そこにいたのは全長3~5cmくらいにまで縮んだユーシャだった。

手のひらサイズにまで縮んだその姿は、女子が見れば「可愛いー‼︎」とか言いそうなくらい小さくなっていた。

それにしたって......

「オレにだって分からねえよ!」
「朝起きたらこのサイズになってたんだ!」

「朝起きたらー?うーん......」

「ど、どうしようか?」

「とりあえず病院に行けば何か分かるかもよ?」

「びょ、病院か.....うう......」

そう言ったっきり、ユーシャは悩み始めてしまった。

そんなに悩む前に、とりあえず病院に行けば何か分かるかもしれないんだけどな......

.......待てよ。こいつまさか......

「もしかしてお前......病院嫌いなのか?」

「⁈」
「なななな何を言っているんだ⁈そそそそ、そんなわけないだr」

「はぁー......」

やっぱりそうか。
その歳にまでなって病院嫌いかよ。

お前は子供か!!
っとツッコミたくなったが、つっこんだら負けな気がしたので、あえてそこはこらえた。

やれやれと思いながらも、話を続ける。

「とにかく、お前がそんな姿じゃ何かあったときやばいだろ?」

「むむむ、確かに......」

「ってことで、行こうか」

「えっ、ちょっ⁉︎」
「はっ......離せお前ー!!」

オレは2回目となるため息をつきながらも、ユーシャを強引にとっ捕まえ病院に向かった.......



「ふいー、なんだか分からないが、なぜか今日は混んでるなぁ......」

あのあと直行で病院に来たオレ達だったが、いつも以上の混み具合に驚愕していた。

いつも以上に混んでたものだから、受付を終えて待っていても名前を呼ばれる気配すらなかった。

そんなこんなで、この人が密集したロビーでかれこれ1時間は待たされていた。

いつになったら呼ばれるんだろーなーっと、だんだん待つ事に痺れを切らしてきた時、偶然にも面影のあるやつが通りかかった。

「あ、ミナノじゃねえか!」

「え⁈あっ......と、クロムさん?」

「そうそう、クロムだよ。今日はこんな混みすぎて嫌気がさす病院に何か用があって来たのか?」

「はっ、はい!えっとですね......」

っとミナノが言いかけた時、ミナノの背後からこれまた見覚えのあるやつが2人も出てきた。

だが.......

「おい、まさかお前ら.....!!」

「よ、ようクロム」

「久しぶり......だな」

「........」

そこにいたのはユーシャと同じように縮んでしまっていたダンディとガーターだった。

2人は少し暗い顔をしながらも、ミナノの背後......いや、背中から現れた。

「おいおい、お前らもかよ......」

「そうみたいなんです。2人とも朝起きたらこんなに小さくなってしまっていて......」

「くっ......兵士の恥さらしもいいとこだ。これじゃ王様を守るどころか移動もままならない......!!」

「まあ、そう言うなよダンディ。俺達以外の兵士だってこの姿になっていたやつはいただろ?.......半数以上」

「だからこそ心配なんだ。今この国でまともに動ける兵士は数えるほどしかいないんだぞ?ミナノは新米だし.....」

「お前らも大変だな......」

そうオレは相槌を打つ。
まあ、大変なのはこっちもなのだが。

「というか、今気がついたがユーシャ......お前もか⁉︎」

「ああ、そうなんだよ......」
「全くもって、何が原因なんだろうな」

「さあ.....というより、今気がついたが周りを見てみろ!」

「.......?」

そうダンディに言われて見てみると、そこでなぜ今日に限って混んでいるのかがやっと分かった。

あたりをよく見回してみると、あちらこちらに小さな姿の球体がいた。

「おいおい、そんなことって......」

「でもこれではっきりと分かったな」

「あ、ああ......」
「こいつは.........」

『事件だな!!』

そうオレとユーシャは同時に叫んだ。今まで謎だった原因が解けたわけではないが、これは大きな進展だ。

「これだけの犠牲者が出てるんだ。必ず犯人とその方法があるはず......」

「方法って言っても、一体......」

うーんっとみんなが頭を抱え始めた時、病院のアナウンスがロビー中に響き渡った。

それを聞き漏らさずに聞いていると、おそらくそれが原因じゃないかという推測が病院側から発表された。

その原因とは......

「え、栄養ドリンク......?!」

「まっ、まさか昨日ユーシャが飲んでたあれじゃないか⁉︎」

「え、それってまさか......」

「あの無料配布してたっていうあれだよ!」

「む、無料配布してたドリンク⁈」

「それなら俺も昨日飲んだぞ」

「ああ、俺もだ」

「どうやらそれで間違えないようだな」

思わぬところで答えが出てきたが、それならそれで話が早い。つまり、昨日そのドリンクを売っていたやつを叩けばいいのだ。

それならばとオレは立ち上がり、ミナノ達と共に犯人を探すため病院の自動ドアをくぐった......



30分後。


勢いよく飛び出してきたオレ達だったが、案の定犯人が見つかるわけもなく、あたりを捜索し続けていた。

そのうち疲れた様子のミナノが「少し休みませんか」と言ってきたので、オレ達は一休みすることにした。

噴水のある広場でオレ達が休憩していると、オレの背後に誰かいることに気づいた。

後ろには噴水があるのにどうやって......っと考えながらも後ろを振り向くと、そこにいたのはこれまたあまりいい思い出はないが、懐かしいやつだった。

オレは少し驚きながらも口を開く。

「お前は......クラウン!!」

「おや、私の名前を知っているとは......私も有名になったものですね......」

「有名って、お前.......」

っと言いかけたとき、隣から「あっー!!」という大きな声がした。

なんだと思って隣を見ると、ユーシャが......いや、ダンディとガーターまでもが驚愕した顔でクラウンを見ていた。

なんだと思った瞬間、ユーシャが叫んだ一言でこの状況がすぐに理解できた。

「お前!昨日オレにドリンクを無料配布したやつだな!!」

「何⁈クラウンが⁈」

「ああ、間違えない!俺たちもこいつからドリンクを受け取ったんだ!」

「やれやれ、この世界では少しはいい奴になってると思ったら.....」

「なんのことだかさっぱり分かりませんね〜」

「とぼけるな!いくぞユーシャ!!」

「あっ、あーそれなんだが......」

「なっ、なんだよ?」
「おい、まさか......」

「あははは.....メモリ、大きいままだったから置いてきちゃった」

「ええーーー!!!」


つづく。

クロムの4コマW•6
『炎の中の彼女(後編)』


「ここだな、火事が起こったところは......」

そう言ってオレが前を見ると、すぐそこにはこれでもかというくらいの量の煙が立ち込めていた。

目を細めてよく見てみるが、煙がすごすぎて中を確認することはできない。

「くー、流石に何も見えないな......」

「無理に飛び込むのも危険だ。ここは消防隊に任せて俺たちはここから離れよう」

「そう......だな」

そう言ってその場を離れようとした時、背後からの熱気に気がつきオレは咄嗟に身を翻した。

だが、かわした先にいたダンディに見事に命中してしまった。

「あちぃ!!!」

「だ、大丈夫かダンディ!」
「こんな事をするのは.....オレは1人しか知らない......!!」

直後後ろを振り向くと、煙の中から誰かが歩いてくるのが見えた。

次第にその足音は段々と大きくなっていき、そして......煙の中から懐かしい影が現れた。

「あっ.......」

っと思わず声をあげる。
そこにいたのは......

「やっぱりティア......!!」

目の前に姿を現したのはかつてオレたちの仲間だったティアだった。

黄色のバンドに星型のピン?をつけたその姿は何一つ昔と変わらなかった。

違う点があるとすれば......その目が殺意に満ちていたことだ。

「やっと会えたな、ティア!だけどこれはどういう......」

と言いかけた時、

ポウッ
という音とともに何かが破裂したような音が聞こえた。

嫌な予感がして見てみると、オレの後ろにいたダンディが案の定真っ黒になっていた。

「おいティア!いつもの冗談にしてはやりすぎだぞ!!」

「.......」

無反応.....か。

こうなったら戦うしかないと覚悟を決めた矢先、とんでもないスピードで熱気が近いてくるのを感じた。

かわそうとしたが一瞬反応が遅かったせいで、火の玉よりも大きい火の矢のような熱気は目と鼻の先まで接近していた。

やばい、これはかわしきれない。

そう思った途端、目の前まで近いていた熱気は一瞬にして消え去った。

「......え?おま.......」

「よう!大丈夫か、クロム」
「大丈夫ですか、クロムさん⁈」

「ユーシャ!それにミナノも!」

なんでここにいるのかは分からないけど、とにかく助かった。危うく真っ黒になるところだったぜ......

「いくぞクロム!変身だ!」

「おう!」

〝ライトニング!〟
〝ウォーター!〟

『変身!!』

「さあ......お前の罪を数えな!」

「なっ......?!」

驚きを隠せないティアの様子を確認しつつ、オレはティアへと突っ込んだ。

オレが突っ込んで来ることに気がついたティアは咄嗟に構える。

それを見たオレは用心深く真っ直ぐに走っていく。

するとティアは、案の定オレに向かってフレイムランスを連発してきた。

「へ、直線攻撃のフレイムランスなら見ればかわせる......」

と言った瞬間、オレを覆ったとんでもない熱さで「うおぁ!」と叫びながらオレは後方に吹っ飛ばされた。

ヒリヒリと焼けるような痛みに耐えながら自分の手を見てみると、その手は真っ黒になっていた。

「なっ、なんだよこれ......」
「(あいつ一体今何を.....⁈)」
「分からない。でもフレイムランスには触れていなかった」
「(......というと?)」
「オレも知らない新技か何かだ。しかも高威力のな.....」

そんな会話をユーシャとしていると、いつの間にかティアがこちらに向かって急接近していた。

「(とりあえずは何が起こったかを確認するぞ!)」
「分かった!」

オレはWのSメモリをスロットから取り出し、腰の空いてるスロットに差し込んだ。

〝ウォーター!マキシマムドライブ!〟

「おらぁぁ!喰らいな、ティア‼︎」

「.......」

ドゴォ!
という音と共にオレはティアに突進した。

これで決まっ......

「......なっ!当たってな.....」

「ふっ」

直後さっき味わったばかりの感覚がオレを襲う。

あまりの熱さに耐え切れなくなったオレは地面に倒れこんだ。

「クロムさん!ユーシャさん!」

「まて......行くなミナノ...」

「でもこのままじゃ!」

「お前が行っても黒焦げになるだけだ.....」

「じゃあどうするんですか、ダンディさん!!」

「.......俺が行く」

くっそぉ.....
いつの間にあんな新技会得しやがって.......

最初は分からなかったが、さっきの2撃目で技の正体は分かった。

あの技は対象の足元から火の渦を作り出し、一気に放出する技だ......

足元からの攻撃だから気づかなかったってわけか.......だけどこれじゃ近づくこともままならないぜ......

どっ、どうす......

「クロム!!」

「⁈」
「ダンディ⁉︎」

「こいつを使え!!」

そう言ってダンディが何かを投げてきたので、すかさずキャッチする。

飛んできたものを見ると、オレの手には“S”と書かれた濃い緑色のSメモリが握られていた。

「おいダンディ......これって.....?」

「そいつは俺のSメモリだ!それを使って戦え!!」

「えっ⁈でもこれってお前の......」

「そう思うんなら無傷で返してくれよ!」

ダンディは「ふっ」と軽く笑いながらそう言い返した。

まったく......
こういう時は戦士なんだな.......

オレは覚悟を決めて言った。

「へへ、どうなっても知らねえぜ!」

「いーから好きなようにやってみな!」

「おう!」

オレは左のスロットからWのメモリを抜き取り、代わりにさっき受け取ったSのメモリを差し込んだ。

するとオレの体の色がみるみると変化していき、元々のピンク色から緑色へと変化していく。

「お、なんだなんだ?!」

自分の体を見下ろしてみると、その体は全身真緑になっており、右手にはランチャー、左手には剣が握られていた。

「おおお......なんだかよく分からないけど、ダンディみたくなっちまったぜ......!!」

「(感心するのは後だ!くるぞ!!)」

「お、おう!」

そう返事をして前方を見ると、ティアがすごい勢いで走ってきていた。

すかさずオレは右手に持っていたランチャーをティアに向かって撃ち出す。

幾重にも響く爆発音と共に、前方は火の海へと化していく。

これでもかと撃っていると、いつの間にかランチャーは撃ち止めになっていた。

「やったか⁈」

「(そういう時は大抵やってないけど......出て来ないってことはチャンスだ!)」

「おっしゃー!一気に片を付けるぜ!!」

そう言いながらSのメモリに手をかけたとき、目の前からティアが撃ったであろう火の玉が飛んでくるのが見えた。

オレは考えるよりも先に、左手に持っていた剣を火の玉に向かって投げる。

するとボシュッという音と共に火の玉はかき消された。

直後オレが前を見ると、ボロボロになりながらも必死に抵抗したであろうティアがこちらを睨みつけていた。

ごめんな、ティア.......
だけど......少しの間さよならだ.......!!

ガコン!
という音が鳴り響くと同時に、オレは声を上げて叫んだ。

〝ソルジャー!マキシマムドライブ!〟

「波動乱撃!!!!」

直後鳴り響く爆発音を聞きながら、オレは......思った。


なんでだよ、ティア......


続く。

クロムの4コマW•5
『炎の中の彼女(前編)』


「今日も大変だったな。まさかミランまで復活するとは......」

「なんで復活なのかは分からないが、とにかくお疲れさんだな」

「うん」

オレがここに来てはや一週間。

ここでの生活にも慣れては来たが、やっぱり元の世界に帰りたいという思いは消えない。

早く帰っていつもの生活に戻りたいというのもあるが、何よりナノ達に要らぬ心配をかけさせたくなかったからだ。

前はゲームの目的である、“魔王を倒してエンディング(ゲームクリア)を迎える”を果たせば、元の世界への扉が開いたが、今回は目的がないだけに手詰まり状態だ。

なんとか帰る方法はないだろうか......っと考えていると、ユーシャが話しかけてきた。

「悪いがクロム、ちょっとお使いを頼まれてくれないか?」

「え?お使い?」

「ああ、オレはこれから行かなきゃいけない所があるから、代わりに行ってきて欲しいんだ」

「えー、めんどくさいなぁ......」

「いいだろ⁈なっ!」

「......分かったよ。で、そのお使いって?」

「実はそろそろ剣を新調しようと思って、あらかじめ武器屋に頼んでおいたんだ。それで、さっき完成したって連絡が入ったから、ちょっと取ってきて欲しいんだ」

「剣かぁ......そういえばお前、星白の剣はどうした?」

「星白の剣......?なんだそれ?」

「......あー、いいよ、やっぱりなんでもない」

「そうか。じゃあ頼むよ!」

「ああ」



「......っと引き受けたものの、店が見つからないなー。確かにこの辺のはずなんだが......」

そう言いながらオレが町をうろうろしていると、「よ、そこの兄ちゃん!」という威勢のいい声に引き止められた。

「んー?何です.....」

と言いながら声の方へ振り向くと、そこにはとんでもないやつがいた。

こいつは......

「魔王⁈」

「お、おう、どうした?」

「なんでお前がこんなところに⁈確かにあの時......!!」

「?」
「よく分からねえが、なんで俺の名前を.......?」

「なんでも何も、お前は......」

そうだ。
こいつは前にオレ達と戦い、最後はオレとユーシャに敗れたはずだ。

こんなところにいるはずが......

でも待てよ?
と思った瞬間、魔王が話しかけてきた。

「そんなことより兄ちゃん!ちょっとこの武器を見て行かないか?」

「武器?」
「......ま、まさかとは思って聞いてみるけど、ここって......」

「ん?ああ!俺の店はこの町で数少ない武器屋の一つ、ウォルテだ!そして俺はここの店長だ!」

「武器屋......?店長......?」
「まじかぁ!!」

「おいおい、本当にどうしたってんだよ。よく分からない兄ちゃんだなー」

そう笑いながら話してる魔王を見て、オレはただ驚愕していることしかできなかった。

もしかしたら魔王も復活しているのではないかと考えてはいたが、まさかこんなところで出会うとは......!!

いやいや、そんなことに驚いている場合じゃない。ここが武器屋だと言うのなら、聞くことは一つ!

そう決めたオレは、思ってたことを聞くべく、口を開いた。

「あのー、ちょっといいか?」

「お!なんだ!」

「ここにユーシャってやつから新しい武器の新調を頼まれてないか?」

「おお、確かに頼まれてるぞ?でもなんでそれを?」

やっぱりここだったか。
魔王がいる時点でここかなとは思っていたが、まさか本当にこことは......

本当にこの世界はよく分からないことだらけだが、とりあえずは用だけ済ませるか。

「実はオレ、そのユーシャに新調した武器を取ってきてくれって頼まれてたんだよ」

「ああ、そういうことだったのか。それなら......」
「はいこれ。ボロボロだった部分を少し加工して、ヤスリをかけただけだが、これでいいかい?」

「んー、たぶん大丈夫だ」

「そうか。じゃあこれな」

「おう。あ、お金は......」

「あー、別にいいよ。前持って貰ってるから」

「分かった。んと......じゃあな!仕事頑張れよ!」

「おう!また頼むぜ!」

そんな会話を終えたのち、他にやることもないオレは、まっすぐとユーシャの事務所へ帰って行った......



「.....はずなんだけどなぁ」

「まあそう言うなよ。お前と俺の仲だろ?」

「はあ......」

オレはあの後、帰り道にてダンディとばったり会った。オレは軽く挨拶してとっとと帰ろと思っていたが、ダンディが折角だから王様に挨拶して行けというので、仕方なくついていくことになってしまった。

なんだよ、なんでこのタイミングなんだよ。オレは疲れてるんだよ。今すぐgo to betしたいんだよ。

そんなことを考えていると、王様の部屋に着いてしまった。

ダンディが「入るぞ」と言ったのち、扉を開き始めた。

ギィーという音とともに扉が開かれると、そこにはたくさんの兵士と、奥には椅子に王様らしき人が腰掛けていた。

「んー?あれ、王様ってあんな人だったかな......?」

「おいクロム、ぼーっとしてないで行くぞ」

「お、おう」

そう言われてオレはダンディの後についていく。

ダンディが王様の前に膝まづくと、オレも同じように膝まづいた。

その様子を確認した王様が、「もう顔を上げていいぞ」と言うと、ダンディが顔を上げ始めたので、オレも同じように顔を上げると、そこにいたのはまたまたビックリするようなやつだった。

「え.....ちょっ......シュライ⁈」

「お、おいクロム!王様を呼び捨てにするな......」

「まあ別に構わないさ」

「お、王様⁈」

「俺はシュライ。確かにこの国の王様だが何か?」

「あ、いや......なっ、なんでもないです!」

「そうか。それならいい」

ふう、危ない危ない。危うく国から追放されるところだった。

それにしても、まさかシュライが王様になっているとは......

今日は予想外すぎることが起きすぎて、本当に疲れる。というか、こんな適当なやつが王様でこの国は大丈夫なのだろうか......?

そんなことを考えていると、いつの間にか王様とダンディとのやりとりは終わり、ダンディに戻るぞと言われたので、言われた通り王様の部屋を出ることにした。

部屋を出たところで、案の定オレはダンディに話しかけられた。

「おいおい、あんな態度取っちゃダメだろ⁉︎」

「あー、すまないな。つい......」

「ほんと、今度からは頼むぜ。心臓止まるかと思ったぜ......」

「悪い悪い.......!!」

「反省してるのか、お前?」

「え?しっ、してるよしてる!」

「......やれやれ」

そんなこと言われたって仕方ないだろ。よりにもよってあんなやつが王様だったらみんなああなるわ。

大体なんであいつが......
そう考えていると、またまたダンディが話しかけてきた。

「なあクロム、ちょっと相談に乗ってくれないか?」

「お、なんだ?」

「実は最近いたるところから火の玉が飛んできて困ってるんだ」

「火の玉?」

「ああ。一発一発は大した威力じゃないんだが、いつ飛んでくるか分からないから、夜も眠れないんだ」

「ああー、それは大変だな......」

っと受け流したが、それ間違いなくあいつじゃないか?いや、あいつ以外いないだろう。

そう思ったオレは、ダンディに言った。

「ほっとけば大丈夫だよ。そのうち飛んでこなくなるから」

「そうか?」

「そうだ。ま、今だけ我慢だな」

「ぬぐぐ、そうか....」

「でもなあ」とか「それでも」とか言ってるダンディを見て和んでいると、突然城中に騒がしいブザー音が鳴り響いた。

「なっ、なんだ⁉︎」

「このブザーは......どこかで火事が起こったみたいだ!」

「火事....まさか.....」

「とにかく煙が出ている方へ行ってみよう!」

「分かった!」

そう言うと、オレは悪い予感を引きずりながらもダンディの後をついていった......

クロムの4コマW•4
『闇を切り裂け(後編)』


「で?外に少し出ただけなのに
ブーメランを取られたと?」

「そうなんだよ......全く誰が......」

「犯人は分からないが、お前まで取られるとはな」

「お前まで...?ってことは他にも取られたやつがいるのか?」

「ああ。ここ最近多発してる事件で、丁度オレも調べていたところだったんだ」

「そう...なのか」

ブーメランを取られたオレは、ユーシャの協力を得るために、すぐにこの探偵事務所に戻ってきていた。

探すのを手伝ってもらおうと戻ってきたわけだが、まさか取られたのがオレだけではないとは......

「なんか喉渇いたなー。そこのオレンジジュースもらっていいか?」

「ああ、別にいいぞ。ただし、後で買って足しておけよ」

「はは、分かったよ」

そう言ってオレンジジュースに手を伸ばそうとした時、ジュースが乗っている机の下で何かが動いたような気がした。

気になって机の下を覗いてみると、そこには何やら怪しげな動きをする黒い影がいた。

よく見えないので顔を近づけた瞬間、何か液体をぶっかけられ、オレは液体が目に入った痛さに声をあげた。

「ぐわぁぁ!!目がー!目がぁー!!」

「どうしたクロム⁈」

「だっ、誰かに目をやられたぁ!!」

「はっ⁈なっ、そこにいるのは誰だ⁉︎」

「••••」

「答えろ......って、それオレのSメモリじゃないか!返せ!」

「奪ったのに返す馬鹿がいるか?こいつは我々がもらっていく」

「我々......?まさか他にも仲間が⁉︎」

と、ユーシャはオレに液体をかけたやつと会話していたが、オレはそれどころじゃなかった。この染みるような痛み......普通の液体じゃない。

まっ、まさか......
これは......!!

「(レモンの)酸だーー!!!」

「うお⁈なんだ、どうしたクロム!酸⁈酸を目にぶっかけられたのか⁉︎」

「ここにもう用はない......さらばだ」

そう言って謎の影は窓から飛び出して行った。......窓を割る音がしたからたぶん。

「あっ!しまった!くっ...仕方ない。大丈夫かクロム!大丈夫そうならオレはやつを追うが......」

「あ、ああ大丈夫だ。それよりもやつを追ってくれ!」

「分かった!お前も収まったら来いよ!」

「りょ、了解だ......」

その声を聞いてとりあえず大丈夫だと感じた様子のユーシャは、ドアを開けて出ていった。......音がしたからたぶん。

「と、とりあえず水で洗い流して......くそー!絶対あいつら許さねえ!とっ捕まえて酷い目に遭わせてやる!」

そう決心したオレは、とりあえずこの痛みから解放されるべく、水を探すのであった......



......タッ‼︎

「くっ!どこに行ったあいつら⁈まさかオレのメモリまで奪われるとは......迂闊だった......!!」

探偵事務所を勢い良く飛び出したユーシャは、メモリを奪った奴等を追ってハート王国の外壁沿いまで来たが、あと少しのところで見失ってしまっていた。

何処かに手がかりは......
っと探していると、前方から鈍い金属音が打ち合う音が聞こえてきた。

「そういえば今日は兵士になるためのテストがあるとか言ってたな......そうだ!ダンディに聞けば分かるかも!」

そう思ったユーシャは、早速ダンディに怪しい影を見かけたか聞くべく、前方に向かって走りだした......



「ふいー、やっと目の痛みが取れたぜ......」

あの地獄のような痛みから解放されたオレは、酸をかけた奴等に復讐すべく、あちらこちらを探し回っていた。

「どこ行ったぁー、あいつら......」

そう言いながら探していると、すぐ近くから悲鳴が聴こえた。

何だと思ったオレが声のする方へ急いで向かうと、そこには人間の少女が唖然とした顔で倒れていた。

「ど、どうした⁈何があった!」

「変な黒い影達に......私のカバンを取られたぁ......」

「何だって⁈おい、そいつらはどこに行ったか覚えてないか⁉︎」

「たぶんこの通路の先に......」

「そうか...ありがとう。お前のカバンもオレが取り返してきてやる!ちょっと待ってろ!」

そう言うとオレは、少女が逃げたと言った通路の先を目指して走りだした。2,3分走ると、人の荷物を奪いすぎたのか疲れた様子の黒い影達が休息を取っていた。

「やっと見つけたぜ、お前ら......!!」

「なっ!お前はさっきの⁉︎なんでここに......?!」

「御託はいい!てめーら!オレのブーメランを返しやがれ!!」

「それは無理だな!このブーメランはすでに我々闇の三人衆のものだ!」

「......はぁ⁉︎そういえばお前らってあの時の.....!!」

そう、こいつらをオレは知っている。以前この世界に来た時にダーマレ神殿でオレらを襲い、シュライに倒された奴等だ。

だが、倒されたはずなのに何故.....?

「邪魔をするというなら、全力で倒すだけだ!」

「なっ!」

闇の三人衆はその発言と共にオレを一斉に囲った。この状況下では自分達が有利だと思ったのか、にやにやと笑いだす。

そんなやつらにオレは言ってやった。

「おいおい、やめといた方がいいぞー!今のオレはあの時のオレとは全然違うんだから.....」

「ふん!そんな脅しをかけても無駄だ!ここでお前は死ぬ!」

「やれやれ.....はっ!待てよ⁉︎」

ここでオレは重要なことに気がついた。今のオレは確かにあの時よりは成長している。

だが......能力もブーメランもない状態で戦うのはかなり不利......下手すればこっちが負ける!

そのことに気がついた時にはすでに時遅し。やつらは一斉にオレに襲いかかってきていた。

「くっ......!!」

オレが止むを得ず反撃をしようとした瞬間、前方にいた三人衆のうちの一人が真横に凄い勢いで吹っ飛んでいった。

それを見た残り2人は驚きのあまり攻撃をやめ、吹っ飛ばしたやつの方を向く。そこにいたのは.....

「やっと見つけたぜ......お前ら!」

「ユーシャ!それにダンディとミナノも!」

オレの目の前にはここまで急いで来たのか、疲れきった様子のユーシャと、ダンディとミナノがいた。

ユーシャは一息つくと、声をあげて言った。

「お前らが荷物から目を離してる間に、こいつは返してもらったぜ!」

「なっ!そいつはSメモリ!返せ‼︎」

「やだね。というか、元々オレの物だ!」

そんなやりとりをしていると、吹っ飛ばされた一人がズタボロになりながらもユーシャの元まで戻ってきていた。

「うぐ...きっ、貴様ぁ.....!!」

「いくぞクロム!変身だ!」

「おう!」

〝ライトニング!〟
〝ウォーター!〟

『変身!!』

「なっ、なんだ⁉︎」


「さあ...お前らの罪を数えな‼︎」

「へっ、変身しただと⁉︎」

「行くぜ!」

そう言ったオレは、一瞬で三人衆の一人の間合いまで詰め込み、強力な蹴りを喰らわしてやった。

負けじと残った2人の攻撃をすんででかわし、こちらにも反撃を加える。

ぎゃふっ!
という声と共に倒れこむ2人の足を持ち上げ、思いっきりぶん投げる。

「いいかミナノ。よく聞け」

「はっ、はい!何ですかダンディさん⁉︎」

「戦うということは、ああいうことだ」

「あれが......戦うということ...」

......バタッ!
と音を立てたのち、三人衆は地面に倒れた。

「あ......ぐっ......そんなバカな...」

「どうやら勝負あったようだな」

「うっ.....!!」

その発言ののち、三人衆は動かなくなった。それを合図にオレは変身を解く。

「終わったぜ。まっ、大したことはなかったな」

「おう、お疲れさん」

「おっ、お疲れ様です!」

「これで一件落着か。さてと、オレのブーメランはっと......」

「あ、あのブーメランならガーターが持っていったぞ。何でも新しく作り直すとかなんとか.....」

「はあ⁉︎あの野郎!!」

オレはブーメランを取り返すべく、ガーターの元へと向かうのであった......

.......つづく‼︎


〜次回のクロムの4コマW!〜

???「よお、ちょっとこの武器を見て行かないか?」

ダンディ「いや、気のせいだといいんだが、ここ最近火の玉が......」

???「あー、俺はこの国の王だけど何か?」


-これで、決まりだ。-



さて、ここからは幻想世界編の予告になります。

と言っても簡単な出始めのストーリー紹介ですが......


~ストーリー紹介~

過去、幻の世界とも言われた幻想世界の1つである浮遊大陸「ノスタルジア」

そんなノスタルジアに行くことになったクロム達は、そこでかつてノスタルジアを震撼させた化け物と出会う。

クロム達は幻想世界を救うため、英雄の残した精霊達を求め様々な幻想世界を旅することに。

果たしてクロム達は幻想世界を救うことができるのか......?


っと、こんなストーリーになります。

では、また。

クロムの4コマW•3
『闇を切り裂け(前編)』


「ようこそ!我が探偵事務所へ!」

「ようこそって...... お前って探偵の仕事始めたのか?」

「そうだぜ?困ってる人を見逃せないのがこのユーシャなんでね!」

「はあ.....」

ブラッディとの戦闘が終わった後、せっかくだからゆっくり休んでいきなよとユーシャに言われてついてきたものの......

「まさか探偵事務所を開いてるなんてな〜」

「まさかってなんだよー」

「いや、まあユーシャらしいっちゃユーシャらしいけど」

まあ、勇者が魔王を倒しちまったら、やることなくてただのニートだしな。普通に考えれば何か仕事をしているのが普通か.....

そんなことを考えていると、ユーシャがお茶を注ぎながら話しかけてきた。

「そうそう、こいつの説明がまだだったな」

そう言ってさっきの戦闘でブラッディが落としたと思われる蒼色のメモリを机に出した。

「おう、すっかり忘れるところだったぜ。こいつは一体何なんだ?それと、オレの持ってるメモリや、あの変身ベルトみたいなやつ、それから......」

「分かった分かった!分かったから!いっぺんに聞くな!それじゃまずこのメモリの事だが......」

「うむうむ、一体これは何なんだ?」

「こいつはS(ソウル)メモリって言って、オレたちの魂みたいなものだ。」

「......はい?」

あまりにも予想外すぎる答えが返ってきたオレは、思わずそう答えてしまった。
全く理解できないオレの事は気にもせず、ユーシャは続ける。

「このSメモリは1人一つ必ず持っていて、こいつはその持ち主の命と直結してるんだ。まあ、持っているのは球体(オリカビ族)だけだけどな。」

「命と直結......?!じゃあ、こいつが壊れたらオレたち本体はどうなるんだ?」

「その時はもちろん......死ぬよ」

「......!!」

嘘.....だろ?

あまりにも酷い現実を目の前につきたてられ、オレは言葉を失っていた。
今の今までそんなものはなく、のうのうと暮らしてきたオレにはとてもきつい現実だった。

......もうやだ、帰りたい。

だが、ここまで考えて一つ聞きたいことが浮かんでしまった。あまり聞きたくはないが......ここまで来ると聞かない方が気が済まなくなったオレは、恐る恐る聞いてみた。

「なあユーシャ?」

「ん?」

「ブラッディ本体って今もどこかにいるのか?あの後消えてしまったように見えたが......」

「ああ、あいつ本体ならもう消滅してしまったよ。残ってるのはこのSメモリだけだ」

「そう......なのか」

「ただ、このSメモリがある限り、ブラッディは死んでない。時間が経てばこのSメモリから体を生成することもできるからな」

「つまり、こいつがある限りそのSメモリの球体は死んでないと?」

「まあ、そうだな」

「そうか......」

なんかそんな話聞いたことあるような.......まあ、気のせいか。

その後、オレ達が使ったベルトは変身ベルトで、2人のSメモリを使うことでW(ダブルウィング)に変身できることや、ここでは能力が使えないこと、さらにはオレがいた世界との入り口が閉じてしまったことを聞いた。

少しはこの世界で変わったことを把握したが、あまりにも聞きすぎて頭の整理ができてないオレは、ユーシャに断ってハート王国を出歩くことにした。

「うーむ、一見この世界自体が変わっているようには見えないんだけどな.......」

「やっぱりここはオレが知っている世界とは違うのか......?」

そう考えながら歩いていると、後ろから不意に声をかけられた。

後ろを振り返ってみると、そこには懐かしいやつらが手を振りながら歩いてきていた。

「おお!ダンディにガーター!久しぶりだなー!!」

「おう!本当に久々だな!元気そうで何よりだ」

「よう、あの時はダンディが世話になったな」

「おいおい、俺はお前の子供かよ(笑)」

そう笑いながら話している2人を見て、オレはホッとした。

「お前らは何にも変わってないな...... ん?待てよ?」

「どうした?」

「お前らオレの事を覚えているのか?」

「何を言ってるんだ、当然だろ?」

「そ、そうだよな。悪りぃ、変なこと聞いちまって」

「はは、気にするな。それよりクロム、お前もここの兵士になるために来たのか?」

「え?いや、そんな訳ないだろ?オレはその......色々あってこっちに来たんだよ」

「そうか。俺はてっきり兵士になるのかと......」

「そういや、ずっと気になってたんだが、そのガーターの後ろでビクビクしてるやつは.....?」

「ああ、こいつは今日兵士になるために来たミナノだ。ミナノ、前にこい」

「はっ、はぃ!」

そう言ってガーターの後ろから出てきた子は、トンガリ帽子に頭に大きな緑色のリボンをした子で、見るからに......

「お前......女の子か?」

「そっ、そうです!今日兵士になるためのテストを受けにきたミナノと言います!よっ、よろしくお願いします!」

「ああ、よろしく!」

「じゃあな、クロム!俺達はこれで失礼するぜ」

「ああ!また後で会おうぜ!」

「うむ」

そう相槌をうって、ダンディとガーターは去っていった。

ミナノかぁ.....
可愛い......いや、テスト受かるといいな、あの子......

さて、そろそろ行くかと思ったところであることに気がついた。

「あれ?なんかさっきより体が軽いような......」

そう思って持ち物をチェックすると、とんでもないことに気がついた。

「なっ、ない......」

そう、ないのだ。どんな時でも手放さなかったオレの.....オレの......

「オレのブーメランがないーーー!!!」

......つづく!!


〜次回のクロムの4コマW!〜

クロム「てめーら!オレのブーメランを返しやがれ!」

ユーシャ「こいつら.....オレのメモリまで......」

ダンディ「よく見ておけ。戦うということはああいう事だ」


-これで、決まりだ。-

クロムの4コマW•2
『その名はW‼︎』


「え...?ちょっ、こんな時に冗談はやめろよー!ティアだよティア!早く呼んで......」

「いや、悪いけどオレは本当にそのティアってやつは知らないんだけど......」

そう聞いてオレは驚愕した。

あんなにも仲間思いだったはずのユーシャがティアのことを知らないと言い張っている。

ユーシャは冗談を滅多に言わないやつだ...
なら.......

「......んでだよ...」

「......え?」

「なんで仲間のことを覚えてないんだよ!」

「いきなりどうしたんだよ、クロム...? そんなこと言われたって知らないものは知らな......」

そう言いかけたユーシャは何かに気がついたのか、咄嗟に後ろを振り返る。なんだと思ったオレがユーシャが振り返った方を見ると、そこでは見慣れたやつが城壁に座っていた。

「なんだあいつは.....?」

「ブラッディ...?」

「ブラッディ?なんだクロム、お前の知り合いか?」

「ユーシャお前...ブラッディのことも覚えてないんだな」

「そりゃ今会ったばっかりだし」

「やれやれ......」

そんな会話をしていると、ブラッディが痺れを切らしたのか城壁から降りてきた。

オレがハート王国を氷漬けにしたのはこいつなのかと考えていると、ブラッディの方から話しかけてきた。

「あら、まだ氷漬けになってない者がいたのね。確かに全員氷漬けにしたはずなんだけど......迂闊だったわ」

考える必要性がないくらいに、あっさりと答えを言われてしまった。なんであっさり言っちゃうかな....
まあ、これはこれで考える必要がなくなったのでいいのだが。

「まあいいわ。それなら今から氷漬けにするだけのことだし......」

「なあ、一つ聞いていいか?」

「あら、何?」

「なんで魔王はいなくなったのに、お前はこんなことするんだ?」

「魔王?魔王なんて関係ないわ。ただ氷漬けにしたいからやった。ただそれだけのことよ。」

「なるほどな...... なら、遠慮はしない‼︎」

直後オレはブラッディに向けてブーメランを投げた。ブラッディは身を翻しながらかわし、呪文を唱え始めた。

「その呪文、ちょっとばかし唱えるのが遅いぜ!!」

オレは地面を滑りながらアクアドロップを打つため、水球を作りだ.......

「......せてない⁈なんでだ‼︎?」

「なんだかよく分からないけど、そのまま突っ込んでくるなんて相当の馬鹿ね!喰らえ!!」

「やべぇ!」

オレの目の前には青く輝いた冷気のようなものが広がっていた。やばいと思ったが、滑っていた体は急には止まらず、そのまま冷気の中に突っ込んでいった。

もうだめだ.....
そう思った瞬間、オレの右手が強く引っ張られ、そのまま引きずられた。

「大丈夫か、クロム⁈」

「ああ、助かったけど... 引きずるのは酷くないか?」

「お前が1人で突っ込むのが悪いんだろ!全く、無茶なところは変わってねえな......」

「あははは......まあね」

「......クロム」

「なんだ?」

「こいつを倒すには2人の力を合わせるしかない......」

「何を今さら...... そんなのあたり前だろ?」

「そうか...... なら、こいつで協力してくれ!!」

「こいつって......?うわっ⁈」

気がつくと、オレの右腰には何かずしりとしたものが巻き付いていた。よく見てみると、そいつは何かを差し込むスロットのようなものが2つついており、ユーシャの腰元にも同じものがついていた。

この形はどこかで...... いや、以前テレビか何かで見たことがある。これは......

「おい、ユーシャ......これってもしかして......」

「説明は後だ!とにかく今は戦うぞ‼︎」

そう言うと、ユーシャはどこからかメモリのような物を取り出した。そのメモリをユーシャが強く押すと、

〝ライトニング!〟

という声のようなものが鳴り響いた。

何をしたらいいか分からないオレが躊躇してると、ユーシャが話しかけてきた。

「何してるんだ⁈お前も早くそいつを使え!」

そう言われて気がつくと、オレの右手にはユーシャが持っていたものと同じようなものが握られていた。

「あー!もうっ!訳分からないけどとにかくやるしかないか!!」

そう言ってオレもユーシャと同じようにメモリを押し込んだ。

〝ウォーター!〟

「変身!!」

「へっ、変身!!」

直後ユーシャが自分のベルトのスロットにメモリを差し込むと、ユーシャはぐらりと倒れ、オレのベルトのスロットの一つにユーシャが差し込んだはずのメモリが差し込まれていた。

オレも同じようにメモリをスロットに差し込み...... 閉じていたスロットを思い切り開いた。

「なっ、何⁈あの2人は一体何をしたの⁈」

ゴオオオという砂を巻き上げる音と強風と共に、オレの意識は戻ってきて...そして......言った。

「さあ、お前の罪を数えな‼︎」

「......え?本当にさっきのやつ?今さっきまでとは姿が......」

と、驚きを隠せない様子のブラッディに言われて自分の姿を見てみると、そこにはさっきまでなかったマントとユーシャがつけていたようなバンド、そして開きっぱなしの変身ベルトがついていた。

「なっ、なんだこの姿は⁈一体全体どうなってん......」

「(驚くのは後でいいから、とにかくあいつを倒すぞ!)」

「え?その声はユーシャ⁈一体どこから......」

「(さっきの変身でオレの意識は今、お前の体の中に移ったんだ。だからお前に直接話しかけてるんだよ)」

「なんだかよく分からないけど...... とんでもないことしてくれたな‼︎」

「(だからそんなのは後で説明するから......今はあいつを倒すぞ!)」

「分かったよ......」

「独り言は済んだかしら?ならそろそろ消えてもらうわよ!!」

ブラッディのことを一瞬忘れていたオレがブラッディの方を見ると、そこにはさっきの攻撃の倍以上はあるであろう冷気の塊が立ち込めていた。

「あの技は......!!」

そう、あの技は以前に一度喰らっている。あれを受けるのはかなりまずい。

「凍りつけ!ブラックブリザード!!!」

「(今だクロム!前に向かって走れ!!)」

「ユーシャ⁉︎わっ、分かった!」

そう言われてオレは前に向かって思い切り走りだした。目の前に飛んできた氷の塊をすんでのところでかわし、そのまま突っ込んでブラッディの足を蹴飛ばし、体制を崩した。

「え⁈うわっ‼︎」

「今だ!!(今だ!!)」

オレはベルトからメモリを抜き取り、ベルトとは別の空いてるスロットにメモリを差し込んだ。

〝ウォーター!マキシマムドライブ!〟

「......はっ‼︎」

「うおおおお!!ライトニングオーシャンドライブ!!」

そう叫んだ直後、オレは雷をまといながらブラッディへと突っ込んだ。

反応が遅すぎたブラッディはなすすべなく、ドオオオンという爆発音と共に遥か上空に投げ出された。

「ふぅ......終わったか.....」

そう言ってオレが変身ベルトを閉じると、変身前の元の姿に戻り、ユーシャも意識を取り戻した。

ユーシャがやったな!と駆け寄ってくると同時に、オレの頭に痛みが走った。

「いて!なんだ.....?」

オレが頭を抑えながら落ちてきた物を拾って見てみると、そこには“B”と印された蒼色のメモリが落ちていた。

「なんでメモリが.....?」

「ああ、多分それはブラッディだな」

「ということは、ブラッディが落としたってことか?」

「いや?そいつはブラッディ自身だよ。」

「はあーーー?!」

......つづく‼︎


〜次回のクロムの4コマW!〜

ユーシャ「ようこそ!我が探偵事務所へ!」

???「お前もここの兵士になるために来たのか?」

クロム「ここはオレが知ってる世界とは違うのか......?」


-これで、決まりだ。-

クロムの4コマW•1
『新たな始まり』


「あー、もう朝か......」

そう言ってオレは布団を被り直した。
正直言ってまだ起きたくない。
というか、このまま永遠にゴロゴロしていたい。

先日のトロピカ島での事件で酷い目に遭ったオレは、無事に戻っては来れたものの、酷く疲労していた。

まさかあんな事件に出くわすとは思っていなかっただけに、かなり疲れていた。

そんな事を考えながらもう一度寝ようとすると、外から小鳥たちのさえずる音や木々が揺れる音が鳴り響いてきた。

普通のやつならこれで「気持ちのいい朝だー!」とかなんとか言って起きるのだろうが、そんなやつの気がしれない。オレにはやつらの出す音なんて眠りを妨げる以外の何物でもない......

そんなこんなで眠りそうになっていた時、ドアの方からドンドンとうるさいノック音が響いてきた。

......ふざけんな。オレは寝たいんだよ。

それでもいっこうに止むことがないノック音に、とうとうオレは仕方なく布団から起き上がり、ドアを開ける。

「はいはい、どちらさ......」

「あ!良かった!やっと出たよ!中々出ないからいないかと思ったけど、いて良かった!」

「.......え?」

そこに立っていたやつは、オレンジ色のマントに見覚えのある剣を持っていた。
そう、かつて共に魔王を倒すために戦ったユーシャが、オレの前に立っていたのである。

「お前......なんでここに⁈」

「なんでって、別に不思議なことじゃないだろ?ここはオレたちの世界なんだから」

「え、だってオレはゲームをつけてないし、あのゲームはなくなってしまったし、それに......」

「そんなことより、オレと一緒に来てくれ!ハート王国が大変なんだ!!」

「え?ハート王国が?......うーん、よく分からないけど、とにかく行けばいいんだな⁈」

「ああ!さあ、行こう!」

ユーシャは踵を返して真っ直ぐ前に走っていく。オレもその後に続いてついていく。
なぜユーシャが突然現れたのかは分からないが、とにかく緊急事態らしい。それに、オレの力を必要としてきたからには、行かないわけにはいかない。


〜走ること15分後〜

オレたちはハート王国に到着した。
......が、オレは目の前の光景を見て唖然とした。

「......え...なんか城が凍ってるんですけど...」

そう、あの大きな城が1mmの狂いもなく凍っていたのだ。カチカチに氷漬けにされた城は、太陽光を反射して美しく輝いていた。

そんな城を見て唖然としているオレに、ユーシャが話しかけてきた。

「酷いもんだろ?オレがちょっと遠出して帰ってきたらこの状況だよ」

「確かにこれは酷いな......」

「城はともかく、中の人たちが心配だ.....」

「ああ。ダンディとガーターは無事だろうか......」

「それは分からない。今は無事であることを祈るしか.....」

そう言ったユーシャを横から見てみると、気難しそうな顔をしていた。おそらくこの後どうするかを考えているのだろう。

オレも一緒になって考えていると、一つの名案が浮かんだ。それをユーシャに伝えようと口を動かす。

「なあ、ユーシャ。オレ、一ついい案が浮かんだんだけど」

「ん?なんだ?」

「ここにティアを呼んで、あいつに氷を溶かしてもらおうよ。あいつって最初の町に戻ってるんだろ?だったら......」

「なあ、聞いていいか?」

「え、なんだ?」

「ティアって......誰だ?」

......つづく‼︎


〜次回のクロムの4コマW!〜

クロム「なんで仲間のことを覚えてないんだよ!」

ユーシャ「オレたちの力を合わせるしかない......」

「さあ、お前の罪を数えな‼︎」


-これで、決まりだ。-

みなさんこんばんは。

突然ですが、この大きく空いてしまう2週間の穴を埋めるため、急遽小説を投稿することとなりました。

タイトルは「クロムの4コマW」で、まあすでに4コマでないのでタイトル詐欺ですが仮面ライダーWという作品を題材にしたパロディ?小説です。

お話の展開的にゴースト島編終了後からの小説ですので、ゴースト島編までを見ていないときついかもしれませんが、そこはご了承ください。

また、この小説は全12話で終わりますが、終了後にはまとめページを作成し第4章のTOPページから飛べるようにする予定です。

あ、それと小説だけの日もあれば日記や第4章の予告も同時に投稿することがありますのでご注意ください!

ではでは。

みなさんこんばんは!

昨日のエンディングはどうでしたか?
今回は1,2章とは少し違う感じで作ってみました。本当に少しですけど(^_^;)

さてさて、クロムの4コマですが今回も長期休暇をいただきます。

今回は8/7~8/21までとさせていただきます(約2週間)

なので第4章の掲載は8/22からとなります。

なぜ今回こんなに長いかというと、お盆もそうなのですが以下の作業をするためです。


•第4章のTOPページ作成などの準備
•イラコン参加
•LinePlayフレイラ企画の最後の一人を描く
•ブログのこのサイトのデザインを変更
•お知らせ掲示板を廃止し、新たに作品まとめを追加
•作品まとめに1~3代目主人公たちの設定追加予定
•ミナノと不思議なおだやかの更新

......などなどがあげられます。

そして第4章のタイトルが決定しました!

タイトルは「幻想世界編」です。

スタートメンバーはクロム、ナノ、マッハの3人です!

予告はこれからしていきますよ!

それでは、また。

みなさんお待たせしました!

今日は長いようで短かった壊れた時間編の最終回となります!

今回も最終回とエンディングのダブル押しです。

では、まずは最終話から......



クロムの4コマ 3-108



そしてこちらがエンディング!







エンディングなのですが、少々不具合がありまして携帯からの閲覧ができなかったり音楽が再生されなかったりする可能性があります。

もしかしたら閲覧できなくなる可能性もありますので、お早めのご視聴をお願いしますm(_ _)m

また、今後の予定につきましては、後ほどお伝えします。

ではでは。

おはよーございます。

昨日はおばあちゃんの家の片付けの手伝いをしに行きました。

暑い中草むしりなどやるもんですから、かなり汗だくになりました。

では、今日の4コマです。



クロムの4コマ 3-107



次回、ついに最終回です。

良かったぜひご閲覧を!

では、また明日。

みなさんこんばんは!

今日はずっと地球防衛軍をやってました。

面白いんですが、レベルが最高でやってるのでかなり詰まってます。

正直蜘蛛とかきついですよ........

では、今日の4コマです!



クロムの4コマ 3-106



では、また明日。

どうも、ropです。

昨日は少ない時間でしたが花火を見てきました。

1年に一回しか見れないというのもありますが、やっぱり花火は綺麗ですね。

あ、写真は撮ってないです。
実際見る方が良かったので。

では、また明日。


※実はエンディング作成が全然進んでない